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フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
《独占インタビュー》宮原知子24歳が涙ながらに語った、“ミス・パーフェクト”の葛藤と引退の真実「ノーミスばかりを目指していた」
posted2022/04/23 17:00
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph by
Asami Enomoto
3月26日、24歳になった誕生日に宮原知子選手が、自らのブログで競技引退を発表した。2013年秋にシニアGPデビューを果たしてから、9シーズン。4度の全日本選手権タイトルと、2度の世界選手権メダル、4度の四大陸選手権メダルなど、長い間日本女子を牽引してきた競技活動に終止符を打った。競技引退を決意した理由、自身のスケートへの思いなどについて明かした独占インタビューをお届けする。(全2回の1回目/後編へ続く)
◆◆◆
宮原はまず競技引退を決意した時期について、このように語り始めた。
「最初はとりあえず、このオリンピックシーズンを走り切るという目標をもって、シーズンを始めました。全日本の頃には、これが良くても悪くてもこれを最後にしたいなと思っていました」
ちょっと伏し目がちに考えながら、慎み深い微笑みを浮かべて話す。そんな様子は9年前からずっと変わっていない。
「やり残した気持ちは、ないです」
今季で競技を終わりにしようと思った理由は、どんなことだったのか。
「日々の練習でこれ以上に出来ないなと思うくらいの毎日を過ごすことができていて、あとは本番で全力を出すだけだな、と思って試合に入ることができた。全日本でも思っていた以上に全力を出すことができたので、ぷちっと切れてしまった感じです」
今シーズン、平昌に続いて2度目のオリンピック出場を目指したが、全日本では僅差で5位に終わり、代表になることはできなかった。
これまで疲労骨折や、ねん挫などの怪我で苦しんだ時期もあった。身体を思うように動かせなかった時期もあっただろう。競技生活において、これもやってみたかったという思いは残っていないのだろうか。
「やり残した気持ちは、ないです。はい」
宮原はそう言って、自分を納得させるように頷いた。