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フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
《独占インタビュー》引退・宮原知子24歳が明かすプロスケーターとしてのこれから「本格的なフラメンコで滑りたい」「医学にも興味」
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byAsami Enomoto
posted2022/04/23 17:01
3月26日に競技引退を発表した宮原知子。これからやってみたいことを聞いてみた
スケート以外で宮原がやってみたいこと
競技活動の最後の数年は、カナダのトロントで過ごした。その経験を通して、学んだことはどんなことだったのだろう。
「練習と、練習漬けの日々ということに変わりはなかったけれど、周りのサポートをどれだけ受けているかというのを、海外に行って実感しました。スケートのために生活しているんだというのをいつも感じていました」
そのスケート漬けの日々も、こうして一つの区切りを迎えた。これから何かスケート以外のことでやってみたいことは特に考えているのだろうか。そう聞くと、宮原は目を輝かせて「たくさんあるんですけれど……」と切り出した。
「色んなところに旅行に行きたいです。旅行もかねて、トロントとかスイスなどお世話になったところに……練習に行っていただけの生活だったので、色んな知らない場所を回ってみたいなと思います」
彼女は同世代の若者たちに比べると、比較にならないほど世界中を飛び回ってきた。だがその土地を観光して楽しむような時間も全く持たずに、すべてをトレーニングに捧げてきたのだろうと改めて実感した。
医学へも意欲「スケート界をサポートできたら」
また二人とも医師の両親の下で育った彼女は、スポーツ医学にも興味があるとかつて口にしたことがあった。その気持ちは変わっていないという。
「具体的にどういう形で携わることができるかは探り中ではあるんですけど、そういう医学の方面も興味があります。自分がスケートを通して感じたこととか、経験したことをふまえて、スケート界をサポートできたらかっこいいなという夢はあるので、そこは追い続けたいなと思います」
それは、自分自身のスケート活動を通して感じたことなのか。
「それは凄く大きかったと思います。他の陸上の競技とかと違って、スケートは(特殊な)靴をはいているし、ジャンプ、スケーティング、スピンとか、単に上下の動きじゃない。柔軟性が必要とされるところとか、いろんな動きが入って来る。スケートを経験しているからわかることがあるので、そこを何かの形で生かしていきたいと思います」
真面目で、誠実で、勤勉な、誰もの模範になるような選手だった宮原知子。まずは彼女が担ってきた役割と活動に対して「お疲れ様でした」と伝えたい。そしてまだ24歳の彼女がこの先どのような道に進んでいくのか、楽しみに見守っていきたいと思う。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。