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ドラ1コンビ「鍬原→大勢」の“新・勝利の方程式”だけじゃない! 巨人の好調を支える“2人の男”とは…試合の流れを作り、近大マグロの差し入れも
posted2022/04/16 11:03
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Kiichi Matsumoto
開幕から好スタートを切った今年の巨人を分析すると、もちろん様々な要素が見えてくる。中でもクローザーの大勢投手とセットアッパーの鍬原拓也投手による“新・勝利の方程式”が確立できていることが一つ、大きな要素となっていることは衆目の一致するところだろう。
勝てる試合を確実に勝ち切るための“勝利の方程式”の確立は、もちろん近代野球では欠かせぬチームテーマである。しかし今年の巨人は、そのための大事なピースであるはずの中川皓太投手が故障で出遅れた。しかもクローザー候補だったチアゴ・ビエイラ、ルビー・デラロサの両外国人投手が、オープン戦から全くピリッとした投球を見せることができずに、不安を抱えたままで開幕を迎えている。
鍬原は“プチシンデレラストーリー”の投手
普通なら大ピンチのところだったが、それをまず救ったのがドラフト1位ルーキーの大勢だったわけだ。
150kmを超えるパワーボールで相手をねじ伏せるピッチングは、単に1セーブを挙げるだけではなく、投げるたびにチームを勢いづかせる力がある。そういう意味では今季の巨人のスタートダッシュの最大の功労者は大勢だ、と言っても言い過ぎではないかもしれない。
一方の鍬原は2017年のドラフト1位入団の右腕だ。ずっと殻を抜け出せずに、今季は育成契約からスタート。キャンプ、オープン戦で実績を積み重ねて支配下登録を獲得して、開幕後には無失点を続けてセットアッパーのポジションにたどり着いた“プチシンデレラストーリー”の投手だ。
この2人で形成する“新・勝利の方程式”が出来上がったことが、開幕から20日ほどを経過したペナントレースで、巨人快走の大きな要因となっている。
ただ、そこでもう一つ、巨人のリリーフ投手陣で注目したいところがあるのだ。