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ドラ1コンビ「鍬原→大勢」の“新・勝利の方程式”だけじゃない! 巨人の好調を支える“2人の男”とは…試合の流れを作り、近大マグロの差し入れも 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2022/04/16 11:03

ドラ1コンビ「鍬原→大勢」の“新・勝利の方程式”だけじゃない! 巨人の好調を支える“2人の男”とは…試合の流れを作り、近大マグロの差し入れも<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

ルーキーにして巨人のクローザーを務める大勢。鍬原からの“勝利の方程式”が確立された

勝てるかどうか分からない試合を勝てる試合へ

 大勢と鍬原が勝てる試合を確実に勝ち切るための“新・勝利の方程式”であるとしたら、勝てるかどうか分からない試合を勝てる試合へと作り上げている2人の投手の存在である。

 要は勝ち試合の6、7回、1、2点のビハインドでまだまだ試合の行方が分からないときには終盤のマウンドにも上がる畠世周投手と今村信貴投手の果たしている役割である。

 もともと2人は先発の一角を担える存在として期待されてきた投手だった。

マウンドに上げてみないと分からない投手だったが……

 畠は150km前後のストレートに落差のあるフォークボールとキレのあるスライダーを武器に、1年目の2017年にはシーズン後半に先発に定着。翌18年も2桁勝利を期待できる先発候補として当時の高橋由伸監督がローテーションの一角に計算していた右腕である。しかしその後はケガに悩まされたこともあり、なかなか結果を残せずに先発にとリリーフにと中途半端な起用が目立つようになっていた。先発するとたまに目の覚めるような快投を見せる一方で、突然、制球を乱してとんでもないポカを演じる。とにかくマウンドに上げてみないと分からないという投手だった。

 一方の今村は今年がプロ11年目の左腕だ。真っ直ぐとフォーク、チェンジアップにスライダーとボールのキレで勝負していくサウスポーで、3年目の14年には一軍に定着し、以降は基本的には先発で起用されてきている。ただ、これまで72試合に先発してきたものの、完投した試合はわずか2試合のみ。好投を見せながら、中盤に制球を乱して崩れるケースが多く、そこが首脳陣の信頼をなかなか得られない一つの原因となっている。

 実は昨年、この2人について原辰徳監督の評価を聞いたことがあったのだ。

【次ページ】 原監督の2人への評価とは?

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