2021年M-1・全員インタビューBACK NUMBER
なぜ漫才師はスーツを着るのか? スーツ歴1年の“M-1・肉うどんネタ”ロングコートダディに聞く「ナメられなくなった気がします」
text by
中村計Kei Nakamura
photograph byShigeki Yamamoto
posted2022/04/17 17:02
結成12年で初の決勝進出を果たしたロングコートダディ。堂前透(32歳、左)と兎(33歳)。吉本興業所属
堂前 いや、僕はそもそもスーツを着るの、嫌やったんで。荷物が増えるから。ただ、兎がどうしてもというので。たぶん兎も単にスーツを着たいだけやったと思うんですけど。
兎 うん。カッコいいんで。でも、よかったやろ、替えて。
堂前 よかったですね。漫才は「ネタ1、キャラ1、スーツ8」ってよく言われてるんですけど、それくらいのパワーがありました。
兎 誰が言ってんだよ。初めて聞いたわ。
――2人のプロフィールを見ると、結成4年目(2012年)に一度解散されていますよね。
兎 僕が芸人を辞めようと思ったんです。堂前に不満があったとか、そういうことではまったくなくて。3、4カ月くらいバイトをしながら将来のことを考えていたんですけど、そのうち、また、めっちゃ芸人をやりたくなってきて。勝手やなと思いつつも、また堂前に一緒にやらせてくれって頼んだんです。
――堂前さんはすぐに応じたんですか。
堂前 1週間待ってくれって言いましたね。別にすぐに受け入れてもよかったんですけど、それもしゃくだったので。でも、今となっては、彼のお陰で楽しい人生を過ごせているので、帰って来てくれて感謝ですね。
――M-1決勝という夢舞台を一度経験すると、また一つ、M-1から離れられなくなるという話も聞きますが。
兎 といっても、僕ら、あと3回しか出られないんで。
堂前 3回もあるのか。
兎 3回しか出られないんですよね。
堂前 3回もあるんだ。
兎 んっ? 微妙におれと違うこと言ってね?
<#1、#2から続く>
(写真=山元茂樹)