ゴルフPRESSBACK NUMBER
《史上最年少の3週連続優勝ならずも2位タイ》西郷真央20歳が若いのに“踏み止まれる”理由…ヤンキース時代の松井秀喜との共通点とは
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byAtsushi Tomura/Getty Images
posted2022/04/12 11:00
惜しくも史上最年少で3週連続優勝はならなかった西郷だが、とても安定した成績を残している
「ピンチのときに考えなくてはいけないこと」とは?
「ピンチのときに考えなくてはいけないことって、プラスとマイナスをしっかり分けて自分で評価することなんですよね。その中で自分でコントロールできることと、そうではないことを仕分けして、自分にできることに集中する。僕はそれしか考えません」
プレーがうまくいかないときには、もちろん理由がある。コンディショニングの問題だったり、自分の技術的な狂いかもしれない。それとも結果を求められ、それに応えなくてはならないというプレッシャーであったり、過度な期待に対する反発……そうしたメンタル面でのアプローチに何か支障があるのかもしれない。
ただ、そこで必要なのは、そういうものを一度、しっかり引き受けて、そこから自分でできることを仕分けしてそこに集中する。うまく物事が運ばないときにこそ、そういう自己分析ができる冷静さと気持ちの強さが求められるということだ。
西郷は出だしの躓きの中でも、しっかりその仕分けをして、ショットの良さを活かしたプレーに集中できた。
そこにこの20歳の強さの秘密があると感じるのだ。
鈴木愛は後半の13番から5連続ボギーを叩いた
「グリーンはアンジュレーションがきつくて、大きいのに、ピンが切ってあるのが4畳半くらい」
プロアマを終えてこうコースの印象を語っていたのは、今季好調なスタートを切った堀琴音だった。大会初日を終えたときに、西村優菜のバッグを担いでいた森本真祐キャディーにコース攻略のポイントを聞いた。
「まず傾斜が強いグリーンが多く、パッティングが難しいというのが、一番の特徴だと思います。ただ、だからどうしてもパッティングに気持ちがいきがちですが、実は大事なのはピンと同じ面に置いていけるアイアンの精度ですね。その上でのパッティング。上りのラインに置かないと一筋縄ではいかない」
会場となった石坂ゴルフ倶楽部の特徴はポテトチップのようにうねって、段差のあるグリーンが多いことだ。森本キャディーが指摘するように、まずは正確にピンと同じ面に乗せられないと、チャンスがこないし、スリーパットの可能性が出てくる。グリーンを外すと今度はアプローチが非常に難しく、パーを拾うのが困難になってくる。最終日にトップスタートした鈴木愛が、リズムを崩して後半の13番から5連続ボギーを叩いた。一つ間違えれば、そんなことが起こってもおかしくない難コースだ。