ぼくらのプロレス(再)入門BACK NUMBER
《グレート-O-カーンが女児救助》他にもあったプロレスラーの“人助け伝説”…カニを食べていた橋本真也は火災に突入「焼け死ぬぞ!」
text by
堀江ガンツGantz Horie
photograph by本人instagramより引用/AFLO
posted2022/04/07 17:01
(左)警察から表彰を受けたグレート-O-カーン(右)“破壊王”橋本真也
痛むヒザでお婆さんを救助…残した一言は
そして、ひとりのお婆さんがエレベーターが到着するのを待っているのを発見すると、破壊王は「おい、おばあちゃん!そんなところでエレベーターを待ってたら焼け死ぬぞ!」と叫び、そのままお婆さんをおんぶして、ヒザの痛みに耐えながら階段を駆け下り、火の手が回る前に救出したのだ。
そしてしばし消火活動を手伝った破壊王は、お婆さんからお礼を言われると、「名乗るほどの者じゃございません」と一言残して火事の現場から去り、再びカニ専門店でカニを山ほど食べたのだという。
破壊王は生前、偉業からバカ話まで数々の伝説を残していた人であり、この話も人から人に伝わる間にきっと一部に脚色された部分はあるだろう。しかし、危険を顧みずに躊躇なく人助けに向かう純粋な勇気と正義感、そして時代劇ファンらしくケレン味たっぷりにその正義を演じる独特のダンディズム。それは破壊王・橋本真也そのものであり、それを人はプロレスラーと呼ぶのである。