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イタリア2大会連続W杯予選敗退の真相 「世界の破滅」と激怒ムードだった前回より、さらに深刻な問題は…〈欧州王者の急転落〉 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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posted2022/04/08 17:01

イタリア2大会連続W杯予選敗退の真相 「世界の破滅」と激怒ムードだった前回より、さらに深刻な問題は…〈欧州王者の急転落〉<Number Web> photograph by Getty Images

2大会連続でW杯を逃したイタリア代表。若い世代にとってアズーリは「常連国」のイメージがなくなっていくのかもしれない

 プレーオフに臨んだイタリア代表は、9カ月の間に個の突破力を持つFWキエーザや守備職人DFディロレンツォを怪我や故障で欠いていた。DFキエッリーニとDFボヌッチの鉄壁CBコンビもコンディション不調で先発を外れた。

 北マケドニア戦の先発11人に、長くアッズーリの根幹をなしてきた“ユベントス組”が1人もいなかったことは特筆しておくべきだろう。

 代表チームにとって生死を分かつ試合だったはずなのに、イタリアは1枚のイエローカードももらわずに試合を終えた。狡猾でもなく泥臭くもなく、アッズーリの選手たちは一発勝負の土壇場で眼前にちらつく2大会連続予選敗退という悪夢の重圧に屈した。

決定機を外したベラルディへの痛烈な皮肉とは

 30分、ガラ空きの相手ゴールを前にしたFWベラルディは、イタリア最大の決定機に慎重すぎるスローシュートを放ち、慌てて戻った相手GKにセーブされた。翌日書かれた伊紙の皮肉を彼は一生忘れないだろう。

「ベラルディが蹴ったのはきっとボールではなく、モッツァレッラチーズだったにちがいない」

 決定力不足解消のため、プレーオフに合わせて帰化招集されたカリアリFWジョアン・ペドロも、投入されたのは89分で流れを変えるには至らなかった。

「バロテッリを呼んでいたら……」と悔やむ声は、実のところほぼ皆無だ。10年前のEUROで活躍した元悪童は、1月下旬の短期合宿へ約3年半ぶりに代表招集されたものの、14年ブラジルW杯での自己中心的な振る舞いが祟り、彼個人に対する代表内外からの不信感は今なお根強い。

 マンチーニは恩情をもって彼をテスト招集したのだろうが、ファミリー的な結束を強みとしてきた現チームの輪に今さら不協和音をもたらすリスクは犯せなかった。

突破を許したDFを「まるで高速道路のETCゲート」と酷評

 試合翌日のイタリア各紙は、再びの歴史的敗戦を喫した選手たちへ軒並み落第点と厳しい寸評を並べた。

 ローマDFマンチーニは「相手FWを通過させ放題。まるで高速道路のETCゲート」とこき下ろされ、インテルMFバレッラは「通勤電車に遅れまいと駅に走るサラリーマン。ただし道もプレー選択もことごとく間違いばかり」と酷評。

 クラブでのゴール量産と裏腹にW杯予選で結果を出せないラツィオFWインモービレには、今度こそと期待がかかったが「試合最初のシュートを止められただけでまるで90分目のラストチャンスを外したようにヒステリック。後は幽霊同然」といった厳しい批判を浴びた。

【次ページ】 監督辞任説もあったが留任したマンチーニの敗因分析

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