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ビッグボスがSNSで指名“日本ハム開幕投手”北山亘基(ドラ8)はどんな選手? エースで甲子園も指名漏れ→最速153キロ到達は大学4年
text by
沢井史Fumi Sawai
photograph bySunkei Shimbun
posted2022/03/25 06:00
新庄剛志監督(左)が3月25日の開幕戦の先発投手に指名したドラフト8位北山亘基
一方、翁田は西脇工(兵庫)時代は最速145キロ(当時)のストレートが武器で、4番打者としてもチームの柱を担っていた。プロ入りを熱望するも、指名はなく関西国際大へ進んだ。
翁田の名がさらに広まったのは3年春のリーグ戦前。3月の阪神二軍との交流試合でストレートが150キロ台を立て続けにマークし、視察したスカウトの目を釘付けにしたのだ。
だが、春季リーグ戦は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となり、秋は右肘に炎症が見つかったためリーグ戦では登板はなかった。今春のリーグ戦に向け準備をしてきたが、5月に右ひじの疲労骨折が発覚し、夏場までは治療に専念。長らく実戦から遠ざかったが、9月19日の大産大戦では自己最速を4キロも更新する157キロをマークした。毎回の14奪三振で延長10回、188球を投げ切り、その188球目の球速が150キロだった。
9月末までは関西国際大の所属する阪神大学野球の秋季リーグ戦はNPBスカウトの入場ができなかったため、直後の練習ではピッチング動画の撮影も兼ねて4球団がグラウンドに訪れるなど、周囲の動きが慌ただしくなっていた。
「自分では155キロが最速だと思っています」
そんな状況をよそに、翁田は言う。
「(157キロは)球場のスピードガンが速かっただけで、チームのスピードガンの155キロが自分の最速だと思っています。(188球を投げ切った後は)ちょっと体がだるいかなと思う程度で、大きな疲労はなかったです。その後のピッチングも問題なく投げられました」
181センチ、88キロという体には無限のパワーが詰まっている。鈴木英之監督は「彼のマックスはこんなものではない。今後、スピードもどんどん上がっていくのではないか」と、翁田のポテンシャルの高さに太鼓判を押す。