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「ライスシャワーの最期に号泣したよ…」新日ジュニア王者エル・デスペラードが熱弁する“ウマ”への深い愛情《同名馬が新馬戦を快勝》 

text by

原壮史

原壮史Masashi Hara

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photograph byMasashi Hara

posted2022/03/19 11:01

「ライスシャワーの最期に号泣したよ…」新日ジュニア王者エル・デスペラードが熱弁する“ウマ”への深い愛情《同名馬が新馬戦を快勝》<Number Web> photograph by Masashi Hara

新日本プロレスで活躍するエル・デスペラードと“競走馬”エルデスペラード号。同じデザインのマスク(メンコ)が微笑ましい

 デスペラードが、「面白い」と思う相手とはどういうものなのだろうか。

「もちろん技術は求めたい。でも、それ以上に『打てば響く』だな。技術だけでも凄い試合はできるだろうが、俺はそれじゃ満足できない。互いに感情が爆発する相手とやりたいんだ。興奮状態でどんどん上に昇っていくような……。明確に意識したのは、やっぱり葛西純戦。あとは石井智宏戦だな。ああ、これが刺激なんだ、と」

 2020年6月、新型コロナウイルスの感染拡大によって長らく試合を開催できなかった新日本プロレスがようやく再開した時のことだ。

「久々の試合で石井って……。新日本は俺を殺す気か、と思ったけど、最高だったね。感情の爆発の幅が凄くて、やっていてゾクゾクした」

 ベルトは、面白そうな相手と戦うための通行手形にもなる。

「所属してる団体がデカいからこの選手は凄い、って扱われるのは嫌なんで。自分はあくまでもいちレスラーだから。でも、よそのファンからしたら、あのベルトを持ってるってことは凄いやつのはずだ、って思うだろ?」

 王者であれば、馴染みのない場所でも試合が成立しやすい。デスペラードはその状況を有効活用して存分に楽しもうとしている。クリス・ブルックス、佐々木大輔、佐藤光留、エル・リンダマン、フランシスコ・アキラ、YO-HEY……。インタビュー中も、戦いたい他団体の選手の名前を次々に挙げていた。

まさかの馬名の由来に「これ俺だろ!(笑)」

 面白そうな相手との外交手段であるTwitterは、ファンがマスクマンに人間味を感じる大きな要素にもなっている。

「これを言ったらマズイかな、というのが頭をよぎることは?」という質問に、マスクから笑いが漏れた。

「あるよ(笑)。たとえばこの前の『旗揚げ記念日』のセレモニーを見て『ウチのOBみんな顔こえーな』って思ったけど、それはツイートしなかった。大人だからね。取り返しのつかないことは言ってない……はず」

 “馬”のエルデスペラードの存在を知ったのもTwitterだ。

「エルデスペラードって馬がいると知って、最初は映画が元ネタだと思ったんだよ。でも、『エル・マリアッチ』と『デスペラード』(どちらもロバート・ロドリゲス監督)だからちょっと違う。由来を見たら"ならず者"って書いてあって、これ俺だろ! って(笑)」

 新馬戦では律儀に馬券を買いに行った。

「紙に『がんばれ!』って印字される応援馬券の存在を知って、『これ欲しい!』と思ったんだけど、買い方がわからなくて……。とりあえず単勝を1000円買って、最終的には応援馬券も買えたんだけど、なんかタイチに買い方がしょっぱいって怒られたんだよ。あいつガッツリ買っててさ……。俺、応援馬券買ったのになんで恥ずかしい思いしてんだろ……。次からは単複5000円ずつかな」

【次ページ】 競馬の知識はほとんどなし、それでもハマった『ウマ娘』

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