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「ライスシャワーの最期に号泣したよ…」新日ジュニア王者エル・デスペラードが熱弁する“ウマ”への深い愛情《同名馬が新馬戦を快勝》 

text by

原壮史

原壮史Masashi Hara

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photograph byMasashi Hara

posted2022/03/19 11:01

「ライスシャワーの最期に号泣したよ…」新日ジュニア王者エル・デスペラードが熱弁する“ウマ”への深い愛情《同名馬が新馬戦を快勝》<Number Web> photograph by Masashi Hara

新日本プロレスで活躍するエル・デスペラードと“競走馬”エルデスペラード号。同じデザインのマスク(メンコ)が微笑ましい

 自身の名前がジャンルを飛び越えたのは、キャリアを重ねるごとに増している存在感によるものなのだろうか。

「いやいや、単純に縁だよ。クラブの馬(京都ホースレーシング)だから色んな名前が候補に挙がって、最後はその中から決めるんで、候補に出してくれてもそのまま決まるわけじゃないから……。でも、よく“ならず者”って由来で通ったよな」

 自身のマスクと同じ柄のメンコについて、デスペラードは馬ファーストで思いやった。

「実は少し前に連絡をいただいたんだ。神経質な動物だからね。そもそもメンコを着けるのが嫌だったら難しいけど、気に入ってもらえたら嬉しいね」

 突如生まれた競走馬との繋がりを、デスペラードは「『ウマ娘』がなかったら、ここまで思い入れは強くなってなかっただろうな」とドハマりしている人気育成ゲームについてしみじみと語った。

 それまでの競馬についての知識は「ナリタブライアンとオグリキャップは名前だけ知っていて、リアルタイムで走っている姿を見たことがあるのはサイレンススズカだけ」。それも「当時たまたま自分の周りで異常に『ダビスタ』が流行っていたから」という理由だった。

 ゲームから入り、実際の出来事に興味を持ち、思い入れを強くしていく。それもまた縁なのかもしれない。

「『ウマ娘』のおかげで実際の馬を映像や写真で見る機会が圧倒的に増えたし、単純にそのぶんだけ思い入れは強くなっていくよね」

 奇しくも、デスペラード自身もゲームで育成される側になった。プロレスラー育成ゲームアプリ『新日本プロレス STRONG SPIRITS』が2月28日にリリースされたのだ。

「日本人全体で見たら、プロレスって単語は知ってるけど観戦したことはない、って人がほとんどだから、そういう人達にもせっかくだから触ってみてほしいな。ファンタズモとかオスプレイとか、飛べるやつばかりで育てれば俺も飛べるようになるかも……。そういうのも楽しいじゃん」

 自身の“魔改造”も歓迎したが、タイチのようなゲーム配信は「リアルタイムだと、言っちゃいけないこと言いまくりそうだから」と自重しているようだ。

同名馬への切なる願い「活躍よりも、まずは無事に」

 エルデスペラード号の2走目は、ダートでのデビューから一転して芝2400mのゆきやなぎ賞となった。

「俺もメキシコで、リングの下が土剥き出しだったり、客が15人だったり、野良犬がいたり、屋根がないところで雨が降ってきたり……いろんな状況で戦ってきたよ。ただ、どんなところでも、どんな状況でも、俺はめちゃくちゃ楽しかった。まあサラブレッドの気持ちはわからないけど、ダートでも芝でもどんな距離でも、楽しく元気に走ってくれればいいな」

【次ページ】 痛ましい競走中の事故に号泣…「あれは耐えられない」

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