- #1
- #2
欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
FIFAとウイイレの二刀流も? eスポーツ内ではマイナーなサッカーゲームだけど…“3つの魅力”とは〈フォートナイトは人口3億5000万人〉
text by
木崎伸也Shinya Kizaki
photograph byPress Association/AFLO
posted2022/03/13 17:04
2019年のFIFA eNations Cupの様子
中村 サッカーゲームは他のゲームと比べると、確かにまだ市場規模が小さいですが、長所もあります。
アメリカのメジャーリーグサッカー(MLS)が、eMLSを立ち上げて人気があるんですが、彼らはサッカーゲーム以外の可能性も検討したそうなんですね。
そのとき大事にした視点が3つあって、1つ目は「ゲームが廃れない」こと。あるゲームの人気が出ても、2、3年盛り上がって廃れることがあるじゃないですか。それに飛びついてしまうと、リーグとしては初期投資が回収できなくなる。
2つ目は「暴力性がない」こと。子供たちへの影響やスポンサーへの印象を考えると、暴力性があると問題です。
3つ目は本業のサッカーとシナジーがあること。
この3つの視点を考えると、やはりサッカーゲームだとなり、eMLSは『FIFA』を選びました。
アイデア次第では大きなインパクトも期待できる
――サッカーゲームは爆発力がないけど、安定感があると。
中村 サッカーゲームもアイデア次第で、大きなインパクトを作ることができます。数年前にバーガーキングとイングランド4部のスティーブニッジFCが、非常におもしろい企画を実施しました。
『FIFA 20』はイングランド4部までカバーしており、同クラブも実際のユニフォームがそのままゲームに登場するんですね。
バーガーキングはそこに目をつけ、同クラブの胸スポンサーを安く買ったんです。そして『スティーブニッジ・チャレンジ』と銘打ち、同クラブを使ったゴール動画をSNSで拡散すると、ハンバーガーなどの特典がもらえるというキャンペーンを展開しました。ゲームの中では有名選手を加入させられるので、クリスチャ ーノ・ロナウドやネイマールが同クラブの選手としてゴールを決めるという動画がSNSでどんどん投稿されました。
SNSで大きな反響を呼んでコンテンツマーケティングとして大成功し、スティーブニッジFCが販売していたユニフォームも完売しました。ブルーユナイテッドeFCも『FIFA』の中にユニホームが搭載されており、パートナー企業様からも大きな期待を寄せられております。
発想次第でいくらでも可能性がある。先ほど利重さんからCFGには25人もeスポーツに携わる人がいると聞いて、自分たちも頑張らなきゃいけないと思いました。 その分、外部との連携をし試行錯誤しており、例えば元サッカー日本代表の鈴木啓太さんがオーナーを務める会社様とeスポーツに特化した栄養管理の取り組みなどをしたり、同じく元代表の山田卓也さんにeスポーツの強化部構築のためにGMに就任していただいたり、ブルーユナイテッドeFCの代表として、楽しみと焦りが両方入り混じっています。