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「どん底を味わった」「もっと自分を信じていい」F1ルーキーの角田裕毅がレース人生最大の挫折を乗り越えた“ルーティーン”とは 

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尾張正博

尾張正博Masahiro Owari

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photograph byGetty Images / Red Bull Content Pool

posted2022/03/11 11:00

「どん底を味わった」「もっと自分を信じていい」F1ルーキーの角田裕毅がレース人生最大の挫折を乗り越えた“ルーティーン”とは<Number Web> photograph by Getty Images / Red Bull Content Pool

2月下旬にバルセロナで行われたプレシーズンテストで、大幅にレギュレーションが変わった2022年型マシンをテストした角田

「どうすればクラッシュしないかということを考えれば考えるほどペースは遅くなるし、体は硬くなり、思うようにクルマをコントロールできなくなるんじゃないかな」

 それを聞いた角田は、F2時代までに行い、F1でもクラッシュする前まで行っていたルーティーンを思い出し、もう一度行うことにした。

「確かに理想的なラップをシミュレーションしているときには、クラッシュするなんてことは考えていませんでしたから」

 敵は、ほかでもない自分の中に潜んでいた。

 ルーティーンを取り戻して臨んだ後半戦、角田はつまらないミスを犯すことがなくなっただけでなく、不振からも脱出した。

 いま、あのころの自分に何かアドバイスすることができたら、何を伝えたいのか。

「昨年の自分に伝えたいことは、自分を信じること。過信するのは危険だけど、それ以上にこの世界では自信を持つことが本当に大切。もっと自分を信じてもいいよ、と」

どん底からの復活

 21年をレース人生で一番苦労したシーズンと振り返り、「どん底を味わった」と語る角田は、その反省から精神面だけでなく、苦手だったトレーニングを冬場にしっかりとこなし、肉体面での強化も図ってきた。

 角田と対談した小林は、今年2月に開催された北京オリンピックの個人ノーマルヒルで金メダルを獲得。個人ノーマルヒルにおいては、72年札幌大会の笠谷幸生以来、50年ぶり2人目の快挙だった。

 昨年の最終戦を4位で終えた角田が、2年目にどんな開幕ダッシュを見せるのか。昨年、根拠なく抱いていた表彰台に上がる夢を、いまの角田は現実の目標としてとらえている。

「そこにたどり着くために必要なこと、やらなければならないことがしっかりと見えています」

 F1は3月10日から3日間、バーレーンで開幕前最後のテストを行なった後、3月18日に同じバーレーンで、22年シーズンが開幕する。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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