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ボクシングPRESSBACK NUMBER
井岡一翔32歳のキューバ人トレーナーを直撃「井上尚弥28歳vs井岡、ドリームカードは実現する?」「決まればイオカを必ず勝たせますよ」
posted2022/03/18 11:00
text by
林壮一Soichi Hayashi Sr.
photograph by
Getty Images
2021年8月21日、伝説のファイター、マニー・パッキャオは0-3の判定負けで自身8個目の黒星を喫し、40日後に引退をアナウンスした。
かつて米国メディアに「TSUNAMI」と評され、数々の名チャンピオンをキャンバスに沈めたパッキャオの連打とステップインが、加齢と共に半減していたとはいえ、ヨルデニス・ウガスの右ストレート、右フックが面白いようにパックマンを捉えた。WBAウエルター級休養チャンピオンとして、同スーパー王者のウガスに挑んだ42歳のパックマンは、この試合で引き際を悟り、リングを降りたのだ。
当初、パッキャオの対戦相手はWBC/IBFウエルター級チャンピオン、エロール・スペンス・ジュニアとされていた。だが、試合12日前にスペンスの左目網膜剥離が発覚したことで、セミファイナルに出場予定だったウガスが抜擢される。
キューバ代表として北京五輪に出場し、銅メダルを獲得したウガスは2010年3月、米国に亡命。そして、五輪から2年後にプロデビューを飾った。対パッキャオという大舞台に上がるまでに、実に11年を要した。
「ジャパニーズファイターはメンタルが強い」
そのウガスを支えているのが同胞のトレーナー、イスマエル・サラス(64歳)である。
「急遽決まったファイトでしたが、可能な限り、パッキャオの映像を見ました。踏み込んでパンチを放ってくる際、右後方に一歩ステップして躱し、ウガスの右ストレート、右フックを当てていく作戦を立てました。再三クリーンヒットしましたね。準備も万全でしたが、体に染み込ませ自然に反応させたことが勝因です。我々はイメージ通りの戦いを展開することが出来ました」
2020年2月、サラスは自らのボクシングジムをネバダ州ラスベガスにオープンした。
「以前は色んな選手のキャンプ地に足を運んで指導していましたが、自分のジムで活動したかった。ウガスもそうですが、今は引っ切り無しにファイターが来てくれます。日本の井岡一翔みたいに海外の選手もね。現在もドイツの選手が4週間のスケジュールでトレーニング中です」
井岡一翔の叔父である井岡弘樹、村田諒太、また角海老宝石ジムでも指導した時期があり、サラスは日本人との付き合いも深い。