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ボクシングPRESSBACK NUMBER
井岡一翔32歳のキューバ人トレーナーを直撃「井上尚弥28歳vs井岡、ドリームカードは実現する?」「決まればイオカを必ず勝たせますよ」
text by
林壮一Soichi Hayashi Sr.
photograph byGetty Images
posted2022/03/18 11:00
1月半ばに可能性が報じられた井岡一翔(32歳)vs井上尚弥(28歳)。井岡のキューバ人トレーナー・サラスはこの“ドリームカード”をどう見ているのだろうか
「ジャパニーズファイターは総じてメンタルが強いですね。だから練習に打ち込むし、試合中に苦しい局面を乗り越えられる。あまり才能に恵まれない選手でも、努力と精神力で、自分より強い選手から勝ち星を挙げる様を何度も目にしています。そうやって彼らの能力を引き出すことが、私の仕事です。多くの日本人選手に足りないのは、相手と向かい合って体を揺らす時のリズム感です。中南米の選手はダンスを踊るかのように動きます。そこは改善しなければと思っていますよ」
「もし実現したら、必ず井岡を勝たせますよ」
今日、日本でサラスの名は、井岡一翔のトレーナーとして認知される。
「コロナの影響で、日本への入国が制限されていましたから、ここ2試合は井岡一翔のトレーニングに付き合えませんでした。彼が苦戦した理由は、そこにあると思っています。映像でスパーリングを目にしてアドバイスしましたが、やはり直接コーチしたかったですね」
2カ月前、日本のメディアが井岡一翔と井上尚弥の試合が実現するか?と報じた。1月14日に催されたイベントに出席した井上が、「あくまでもバンタム級で」としながら、井岡戦に興味を示したからだ。
サラスの耳にも、その情報は入っていた。
「井上尚弥はパウンド・フォー・パウンド、5本の指に入る素晴らしい選手です。日本のみならず、世界中のボクシング関係者から注目されていますね。今が旬のファイターと呼べるでしょう。若く、フレッシュであり、パワフルです。私自身、彼の才能には心から敬意を払います。
ただ、井上は今後バンタムより上の階級に行く選手で、井岡は精一杯増量してもバンタムが限界。サイズが違います。井岡は井上よりも小さい。でも、日本においてはドリームカードですから、プロモーターなら絶対に実現させたいでしょう。私にとってもありがたい話です。もし、本決まりになったら、私が指導する以上、必ず井岡を勝たせますよ」
「井上はディフェンスに問題があるように感じる」
具体的に、どのように井上を攻略しますか? と問い掛けると、サラスはニヤリとした。