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ネイマールが最も苦しんだ批判「(相手監督が)“ブラジルは、モンスターを育てている”と…」 今では“何の恨みもない”と語るワケ 

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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photograph byTakuya Sugiyama/JMPA

posted2022/02/27 17:00

ネイマールが最も苦しんだ批判「(相手監督が)“ブラジルは、モンスターを育てている”と…」 今では“何の恨みもない”と語るワケ<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama/JMPA

ロシアW杯のネイマール。何かと物議をかもしがちなセレソンのエースだが、18歳の時に心を痛めた言葉があったという

 1988年にブラジルU-20代表の監督を務めていたとき(注:この年のU-20南米選手権を制覇し、翌年のU-20W杯で3位に食い込んだ)、フルミネンセに素晴らしい能力を備えているが、言動に問題がある選手がいた。私は彼と彼の周囲の人々に警告を発するべきだったが、そうしなかった。結果的に、彼は大成しなかった。

 ネイマール、君は世界一の選手になり、ブラジル代表をW杯優勝に導くことを運命づけられた選手なのだ。幸運を祈る。》

トラブルはあれど“有益な警告”だったと言える理由

 シモンエスは、「君を他の媒体と同等に扱う」という言い方で、私からのインタビュー依頼を断わった。それでも、「12年前、彼と彼の周囲の人々に伝えた警告は効果があったと思うか」と書面で尋ねたところ、「それを答えられるのはネイマール本人だけだ」と答えてくれた。

 現在、ネイマールは「自分のキャリアを終わらせたかもしれない」とまで語る痛烈な批判をした名将のことを恨んではいない。シモンエスの方も、選手ネイマールを認め、期待をかける言葉を発している。

 12年前のあの出来事の後も、ネイマールは大小様々なトラブルを起こしている。それでも、選手としての階段を駆け上がり、世界最高のフットボーラーの1人となったのは紛れもない事実だ。

 ネイマールが「キャリアで最も苦しめられた批判」は、結果として、彼にとって最も有益な批判となったのではないか、と考えている。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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