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目指すは「勝ち点55で5位以内」…湘南は“残留を争うクラブ”から脱却できるのか? 永木亮太「決して高すぎる目標ではない」
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byMasashi Hara/Getty Images
posted2022/02/19 06:00
昨年10月23日の横浜FC戦、山田直輝の劇的な決勝ゴールで残留に大きく前進した湘南ベルマーレ。今季こそは残留争いに巻き込まれることなく、「5位以内」という高い目標を達成することができるか
鹿島アントラーズから7年ぶりに復帰した永木亮太は、「個人的にすごくいい目標だと思います」と前向きだ。33歳になった経験豊富なMFは、副キャプテンを任されている。
「メンバーを見ても実力と経験のある選手が入ってきてくれて、残ってくれた選手も多い。新戦力と既存のメンバーがうまく融合すれば、決して高過ぎる目標ではないでしょう」
オフの移籍市場では、元日本代表のセントラルMF米本拓司を名古屋グランパスから、マルチな才能を持つアタッカー瀬川祐輔を柏レイソルから迎えた。また、20年の入団後すぐにスイスのFCシオンへ期限付き移籍していたFW若月大和が、満を持してチームに合流した。
さらに、日本代表GK谷晃生、日本代表経験を持つDF杉岡大暉の期限付き移籍も延長されている。そして、クラブの歴史の継承者にして、鹿島で勝者のメンタリティを身に付けた永木が、若い選手の道しるべとなっている。
得点力不足と終盤の失点という“明確な課題”
5位以内という野心的な目標を達成するために、克服すべき課題は得点力だ。昨シーズンは38試合で36得点にとどまっている。リーグで下から6番目、残留したチームでは2番目に少ない得点数を、どこまで伸ばすことができるか。少なくとも45点、できれば50点は欲しいだろう。いずれにしても得点力アップは、今シーズンの成否を左右するポイントだ。
永木は「得点が取れれば、おのずと勝ち点3が拾える確率は上がってくると思う」と話す。リード奪うことができれば、彼ら経験者の力が引き立つ。
「勝っているときの試合の運び方に関しては、自分や経験のある選手が引っ張っていけば、勝つ確率は上がってくる。なので、まずは得点力のところなんじゃないかなと思います」
昨年8月に鹿島から復帰した杉岡は、「昨シーズンは内容が良くても勝ち切れない試合が多かった。それが引き分けの数にも出ていた」と振り返る。シーズン41失点はリーグで9番目に少ない数字だったが、それでもリーグ最多の16引き分けを記録した。