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目指すは「勝ち点55で5位以内」…湘南は“残留を争うクラブ”から脱却できるのか? 永木亮太「決して高すぎる目標ではない」
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byMasashi Hara/Getty Images
posted2022/02/19 06:00
昨年10月23日の横浜FC戦、山田直輝の劇的な決勝ゴールで残留に大きく前進した湘南ベルマーレ。今季こそは残留争いに巻き込まれることなく、「5位以内」という高い目標を達成することができるか
特に、勝ち点をとりこぼすことに直結する終盤の失点が少なくなかった印象がある。後半アディショナルタイムの失点によって、敗戦を招いた試合が3つあった。また優勝した川崎フロンターレとの試合では、ホームゲームが82分の失点で引き分けに終わり、アウェイゲームは90プラス4分の失点で1対2と競り負けた。
「引き分けを勝ちに持っていく。それと、アディショナルタイムの失点で負けた試合を引き分けにもっていけば、5位以内は必ず達成できる目標だと思います」(杉岡)
山口智監督「覚悟を2段階くらい上げてくれ」
19日の開幕戦では、柏レイソルをホームに迎え撃つ。杉岡は「開幕戦に勝つことで今年は違うぞ、というところを見せたい。その覚悟を試合で見せたいと思います」と、落ち着いた口調に闘志をにじませた。
杉岡が語った「覚悟」は、山口監督が選手たちに求めてきたものだ。シーズンイン直後の新体制会見で、43歳の指揮官は「近年J1残留争いをしていて、僕が監督になったあともなかなか勝てずに苦しんだ現状は、自分でも理解しています」と話しつつ、「そんななかで芽生えてきたものであったり、やってきたことの成果であったりを考えると、まだまだ上を目指さないといけないし、目指せるんじゃないかというところがあります。本当に覚悟を持ってやりたい」と続けた。選手には「覚悟を2段階ぐらい上げてくれ」と話したという。
シーズン開幕が目前に迫った段階で、選手たちの「覚悟」はどこまで固まっているのか。山口監督は「相当にあります」と迷わず答えた。
「元々覚悟はあるなかで、簡単ではない目標を設定して、選手たちはさらなる覚悟を持ってやってくれています。選手たちがより意識してくれていると思います」
クラブが存続していることに感謝の念を抱きつつ、J1定着やJ1残留に胸を撫で下ろすのではなく、本気でタイトルを目ざすクラブとなっていく。そのための足掛かりとして、5位以内をターゲットとする──周囲を驚かせた「野心」は、ベルマーレというクラブが新たなフェーズへ向かっていくとの意思表示なのである。
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