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「ナオこそ『チャレッソ』よ」10代からの仲、結婚式にも…17位小平奈緒に“解説者”李相花が涙した理由 

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矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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posted2022/02/14 17:05

「ナオこそ『チャレッソ』よ」10代からの仲、結婚式にも…17位小平奈緒に“解説者”李相花が涙した理由<Number Web> photograph by JMPA

北京五輪Sスケート女子500mでは17位に終わった小平奈緒。放送席で盟友・李相花も涙(写真は平昌五輪)

「『奈緒はうまくいってるよ』『奈緒ならできるよ』という言葉を何度も何度もかけてくれた。今シーズンは前半戦からメールを送り続けてくれたのでとても心強かった。五輪前もメッセージを送ってくれて……」

 励ましてくれた友と同じ場所で、会いたかった。

「ただ、相花が2連覇した時のようには、うまくいきませんでした」 

 小平は現実を噛みしめるように宙を見つめた。 

思い出される18年平昌五輪の“名シーン”

 2018年2月18日の平昌五輪女子500m。五輪3連覇を狙う李さんと、2016年10月からW杯と世界選手権で無敗を誇る小平の“最速女王争い”は、韓国で五輪のハイライトともいうべき大注目を浴びていた。

 先に滑った小平は、最初の100mを10秒26で通過し、得意のカーブで加速。最後までのびのあるスケートでゴールし、36秒94の五輪新記録を樹立した。後から滑った李の持ち味はロケットスタート。最初の100mを全選手中最速の10秒20で通過して会場のボルテージは最高潮に達したが、最終コーナーの手前頃から勢いが衰えた。

 ソチ五輪後にひざとふくらはぎを痛める苦しみから這い上がった李は、自身4度目の五輪に全精力を傾けたが37秒33で2位。母国の期待を背負った中で銀メダルになり、泣きじゃくっている李の肩を抱いてなぐさめたのが小平だった。

「サンファ、たくさんの重圧の中でよくやったね。私はまだリスペクトしているよ」

出席できずも、結婚式に招待されていた

 李は涙ながらに「ナオこそ『チャレッソ』よ」と返した。チャレッソとは韓国語で「よくやった」の意味。短い一言に2人の絆が凝縮されていた。2人はまだ十代だった頃からW杯転戦の先々で励まし合い、移動や食事で互いに助け合う場面を繰り返しながら友情を深めていた。

 李さんは2019年5月に引退し、同年10月には韓国を中心に歌手やタレントとして活動するKangNam(本名・滑川康男)さんと結婚。10月12日にソウルでおこなった結婚式には小平も招待された。シーズン開幕前の最終調整に入っている時期であったため出席を見送ったが、心からの祝意を伝えた。

【次ページ】 暗闇を抜け、手にした五輪切符

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