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ワインとシエスタとフットボールとBACK NUMBER
「選手のクオリティはサウジのほうが上だった」トルシエが分析する、それでも日本が難敵を完封できた理由とは?
text by
田村修一Shuichi Tamura
photograph byTakuya Sugiyama
posted2022/02/05 17:02
辛口のトルシエにしては珍しく、サウジ戦での日本の戦いぶりを「順当な勝利だった」と振り返った
私が思うに日本の順当な勝利だ。ゴールチャンスの数からしてそうだ。大きなプレッシャーがかかった試合で日本にとって簡単ではなかったし、相手のサウジも個のタレントを揃えた素晴らしいチームだった。サウジに自分たちのプレーをさせたら、日本はかなり厳しかっただろう。だが日本はサウジの攻撃を分断し、パスを3本と続けさせなかった。サウジを抑え込んだから、日本はゲームを支配することができた。
今年に入ってからの2連勝。日本は2022年の素晴らしいスタートが切れた。しかしこのグループBはとても拮抗している」
――その通りで、首位はまだサウジアラビアです。
「3チームが僅差で争う状況では、次のオーストラリア戦はとても重要だ。オーストラリアはどうなっているのか?」
――まだ試合が始まっていません。アウェーのオマーン戦ですが、もしも勝つようならサウジと日本、オーストラリアがそれぞれ勝ち点1差で1~3位に並びます。
「オーストラリアはサウジとの試合も残っているのだろう」
――次節がホームでの日本戦で最終節がアウェーのサウジ戦です。
「それは日本にとっていいことだ。ただオーストラリアに負けが許されない。負ければ3位に落ちるから、さらに競争は厳しくなる」
予選序盤のつまずきを救った連帯感
――話を試合に戻しますが、スタートはサウジもテンポよくボールを回して日本がなかなかプレスをかけられませんでした。
「そうだがサウジは……繰り返すが個の力で日本に圧力をかけた。スピーディにパスも回した。ただサウジが個の力に頼ったボールの支配だったのに対し、日本はチームの一体感で対抗した。チームが一丸となってプレスをかけアグレッシブにプレーする。日本は見事にゲームをコントロールした。試合のマネジメントが素晴らしく、サウジがゴール前40mから先に侵入するのを見事に防ぎ切った。インターセプトの回数も多かった。先制点を挙げた時間帯もよかった」