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「妻に仕事ってウソついて、日曜の昼に…」オードリー若林がスーパーボウル会場で語った『青天』執筆秘話…主人公のルーツになった「一枚の写真」とは?
posted2026/02/22 11:00
自身初の小説となる『青天』を上梓したオードリーの若林正恭。本人が語った執筆秘話とは?
text by

一野洋Hiroshi Ichino
photograph by
Hiroshi Ichino
スーパーボウルの会場には、独特の静けさがある。
数万人の観衆、世界中の視線、巨額のビジネスが動く舞台。それでもキックオフ前のフィールドには、高校のグラウンドとどこか似た空気が漂っている。
ヘルメットをかぶり、うつむき加減で自分の世界に入り込む選手たち。その姿を見ていると、規模や金額は違っても、試合前の緊張や覚悟は変わらないのかもしれないと思えてくる。
オードリー・若林の初小説の舞台は…高校アメフト!
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オードリーの若林正恭が初めて書いた小説『青天』は、そんな「一瞬の熱」を描いた物語だ。勝ち目が薄くなっても体をぶつけ続ける選手たち。試合の行方よりも、その一瞬のプレーにすべてを懸ける高校生たちの姿が描かれている。
第60回スーパーボウルの現地取材でサンフランシスコを訪れていた若林に『青天』について話を聞くと、話題は自然と高校時代の記憶へと移っていった。
小説を書き始めたのは、約1年7カ月前。きっかけは、高校時代の仲間との何気ない会話だったという。
「高校時代の友達としゃべる時って、試合の結果とかより、ワンシーンだけを覚えている方が多くて。『あの試合、勝ったんだっけ?』みたいな。それがすごく面白くて。試合の結果より、一瞬のプレーの方に永遠性があるってことじゃないですか」
最初はその感覚をエッセイで書こうとした。だが、どうしてもうまくいかなかった。
「エッセイは1話1600字ぐらいなので、とてもじゃないけど書ききれないと思ったんですよね。だからそれを伝えるには――300ページぐらい使わないと人に説明できないと思った」

