高橋藍のカラフルデイズBACK NUMBER
高橋藍「イタリアで春高バレー見ていました」高校生の“海外志向”にびっくり!? 石川祐希との日本人対決には「負けません(笑)」
posted2022/01/31 11:05
text by
高橋藍Ran Takahashi
photograph by
elwinga
2022年、僕は人生で初めて日本ではなくイタリアで新年を迎えました。
今年最初の試合は、トーナメント戦のコッパ・イタリア。準々決勝でペルージャと対戦し、0対3のストレートで敗れてしまいましたが、イタリアセリエAのトップクラブでもある相手と戦えたこと。その経験だけでなく、途中出場とはいえ全セット、特に3セット目はスタートから最後までコートに立てたことも大きな自信になりました。
それにしてもペルージャ、強かった。なかでも(第3セットだけで4本のサービスエースを記録したポーランド代表のウィルフレド・)レオン選手のサーブはやばかった(笑)。
サービスエースを取られて、時速何キロかな? とビジョンを見たら136キロ。さすがに「マジか」と驚き、むしろ笑うしかないぐらいすごかったです。日本では西田(有志)選手が最速だと思うのですが、ベストの状態で122キロ。それも受ける側からすればものすごい速さなのですが、レオン選手は常に130キロを超えるサーブを打ってくる。サーブというよりもバックアタック、世界のすごさをまた改めて思い知りました。
爆竹に驚いたイタリアでの年越し
無事試合ができたことは喜ばしい限りですが、昨年末のイタリアは日本以上にコロナ禍で、連日陽性者の人数も増えるばかり。僕が所属するパドヴァも陽性者が数人出て、試合も練習もできない期間が1週間弱ありました。その間は自宅隔離で、できることも限られるし、本当ならば年末に石川(祐希)選手と会う約束もあったのですが、それも叶わなかった。
年越しも家でゆっくり過ごしました。思い返せば初めて家族と一緒に過ごさない年末年始で、少し寂しい気持ちもありましたが、年が明ける“ハッピーニューイヤー”の瞬間、至るところから爆竹の音が響いてきた。僕は京都の静かなお正月しか知らなかったので(笑)、その爆竹の音に、すごいな、本当に海外にいるんやな、と実感しました。
日本にいれば成人式で、地元や高校時代の友人に会う機会もあり、実際楽しそうにしている写真やSNSを見ると寂しい気持ちもありました。でも自分が希望してイタリアへ挑戦しに来ているので、逆にこちらで今できることを楽しまなきゃいけない。みんなに会いたいけれど、でも今は自分の信じた道を進もう、と思うと同時に、1年前は春高のゲスト解説をしていたんや、と思うと不思議な気持ちになりました。