イタリアにいても春高のダイジェスト映像は見られるので、母校・東山が出ていることもあり、いろいろな試合や選手を見ていました。今年は絶対的な優勝候補と言われるチームもなく、どこが勝つのかわからない、と勝敗の行方を追うこと自体も面白かったですし、2m超えの有望選手も多かった。

　日本代表での活躍も期待されるであろう選手たちが「高橋藍選手が目標です」と言ってくれるのは素直に嬉しかったですし、大きいから打てばいいというだけでなく、レシーブもできる選手にならなければいけない、という意識が浸透しているのかな、と感じる機会にもなりました。

　しかもその選手たちが「日本代表で活躍したい」と言うだけでなく、「海外へ行きたい」と話す選手も多かったと後で聞き、それもすごくいいことだな、と思いましたね。もちろん僕も高校時代から「海外へ行きたい」と思っていましたが、当時は今すぐとは思えず「いつかチャンスがあれば」という程度でした。だから今、春高に出た選手たちが高校生の頃から「海外でプレーしたい」と目標を持つのはすごいことだし、もし少しでも僕がそのきっかけや、影響を与えることができているのだとしたら嬉しいです。

春高で優勝してから人生が変わった

春高バレーで優勝した東山高校時代の高橋藍（2020年1月）©︎AFLO SPORT

　自分のバレー人生を振り返っても、スタートしたのはバレーを始めた小学生の時ですが、今につながるキャリアを築けるようになったのは春高で優勝したことです。

　あれから東京五輪にもつながって、人生が変わった。本当の意味でバレー人生のスタートとも言える大会だったので、僕にとっては大切なきっかけでもあり、そこから今回どんどんいい選手が出てきたので、僕ももっともっと自分を磨かなきゃいけない、強くならなきゃ、と思うし、追い抜かれないように頑張らなきゃ、と刺激をもらいました。

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