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五輪直前に選手を襲撃、犯人は“ライバル選手の夫”…フィギュア界の最大スキャンダル「ナンシー・ケリガン襲撃事件」とは 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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posted2022/02/03 11:03

五輪直前に選手を襲撃、犯人は“ライバル選手の夫”…フィギュア界の最大スキャンダル「ナンシー・ケリガン襲撃事件」とは<Number Web> photograph by Getty Images

五輪直前にアメリカの有力選手が襲撃される。犯人は、まさかの“ライバル選手の夫”だった

スケート界からは追放…しかし真相は未解決のまま

 オリンピックが終了したあと、ハーディングは司法取引に応じ、事件の背景を事後に知りながら警察に通報しなかったことから保護観察3年や罰金などの罪に問われた。また、スケート界から追放されることにもなった。

 事前に計画を知っていた、あるいは計画に携わっていたという疑惑については検察は立件できなかったから、ハーディングが元夫らに指図して行なわれた、とするわけにはいかない。ただ、社会の目は厳しく、ハーディングが首謀者だと見る向きも少なくなかったという。真相がはっきりしなかったことに憤る人、果てはハーディングが暴行したと信じる人すらいたとも言われる。

フィギュアスケート界史上最大のスキャンダルに

 のちにハーディングとケリガンはテレビ番組で共演し、和解という形をとった。

 5年前には映画化され、「アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル」のタイトルで公開された。

 関心が消えることなく、なにがしかの形で折々に伝えられてきたのは、やはり、この出来事の衝撃の大きさを示している。

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