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戦力外→2億円から80%ダウンの38歳「野球しかなかったんですよ、仕事が」 ラミレスは独立Lで500万円未満…年俸をめぐるプライド
posted2022/01/26 06:00
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
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<名言1>
日本で真のプロになれたし、自分も成長できた。
(アレックス・ラミレス/Number850号 2014年3月26日発売)
◇解説◇
ヤクルト、巨人、DeNAに13年間在籍し、2017安打、380本塁打の成績を残しているラミレスが、独立リーグの群馬ダイヤモンドペガサスに選手兼打撃コーチとして入団したのは2014年のこと。年俸はコーチ料も含めて総額500万円にも届かなかったといわれる。
「NPBで実績を残した選手だというプライドはある。でも今は、そのプライドは横に置いといて純粋に野球をやりたいという気持ち。その機会を与えてもらうこと、フィールドに立てることが何よりも重要だった」
実績に見合わぬBCリーグでプレーする理由をこのように語り、「日本人の相手に敬意を表するところが好き。アメリカでは故意に死球を与えることもあるが日本ではない」、「最初は腰掛けのつもりだったけど、今は日本に永住したい」とも話していた。これだけ日本にフィットした外国人選手はラミレスをおいて他にいない。
最後まで筋を通し続けた九州男児
<名言2>
言ったことに責任を持てる男でいたかったから、三冠王という結果が出せてよかった。
(松中信彦/Number613号 2004年10月14日発売)
◇解説◇
ホークスの4番打者・松中。2004年に平成で唯一となる三冠王を獲得する大活躍をみせたが、シーズンの滑り出しは順調とは言えなかった。年俸交渉でもつれて、代理人を立てて交渉。キャンプには自費参加を余儀なくされた。
「九州で生まれた男ですから、理に反することは嫌いやし、一度決めたら筋を通す反骨心は人一倍持っていると思う」
「不器用っていうか、一度こうと決めたら周りがいろいろアドバイスをしてくれても耳に入らない」
そんな松中は2015シーズン終了後、球団から引退を打診されたが、現役にこだわりホークスを退団。所属先が見つからないままバットを置くことになったが、その決断に後悔はないのだろう。