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名門シャルケで“前半戦No.1センターバック”に覚醒… 板倉滉「オレは成長できる」「ブンデス1部でも十分やれる」と語る理由 

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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posted2022/01/27 11:06

名門シャルケで“前半戦No.1センターバック”に覚醒… 板倉滉「オレは成長できる」「ブンデス1部でも十分やれる」と語る理由<Number Web> photograph by picture alliance/AFLO

ドイツの名門シャルケに加わった板倉滉。代表合流前に話を聞いた

 板倉は開幕後の8月19日にシャルケに加わった。その2日後、第4節のレーゲンスブルク戦の後半開始時からリベロのポジションでピッチに送り出された。

 ただ、デビュー戦では、板倉が与えたFKから失点。試合後にグラモツィス監督は板倉の攻撃での貢献について「ボールを散らしてくれることで、チームに落ち着きをもたらしてくれた。彼が入ってからプレーを上手くコントロールできた」と評価していたが、地元メディアからは、失点のきっかけを作ったことに対して厳しい声も挙がっていた。

デビュー戦で失点も「ここでしっかりやらないと」

――デビュー戦で失点につながるファウルを犯していたにもかかわらず、翌週のデュッセルドルフ戦(*初スタメンを飾った試合)では、激しい守備を見せ続けて、チームの勝利に貢献していました。デビュー戦で与えたFKはトラウマにはならなかったのですか? 

「確かに、シャルケでの最初の試合では、後半の45分間だけ出て、チームとしてもその間に3失点しましたからね。あのFKもそうだし、相手のCKでは自分の前に入ってきた選手にヘディングからゴールを許して……。だから、セットプレーについてなどは、その後にチームメイトと話しました。

 でも、最初の試合で自分の出ている間に3点入れられたことは、次のデュッセルドルフ戦に臨む際には全く気にしていませんでした。逆に、デュッセルドルフ戦は初スタメンで、初めてのホームゲームでもあったので、『ここでしっかりやらないと』という気持ちが強かったですね」

――恐れることなく2戦目を迎えるために、メンタル面でどのような準備を?

「特別に意識してそういうマインドに持っていった、というわけではないんです。フローニンゲンにいたときにも肌で感じていましたが、やはり、ヨーロッパでは試合に出て活躍しないと認めてもらえない世界なので。当時はチームとして守備への不安があったから、最終ラインの3人でしっかり声をかけながら、やるしかないなと考えていました」

自分よりゴツい相手にもバチバチいって“負けないぞ”

――そこで完勝してからはチームの守備も安定しました。板倉選手のプレーに目を向けても、10月3日のインゴルシュタット戦などは、攻守両面で出色のパフォーマンスを見せていましたね。相手チームの194cmのFWクチュケとのデュエルではことごとく勝利。俊敏性を生かしてボールをカットするだけではなく、長身選手を相手に高さでも競り勝っていましたが?

「ドイツの2部では、僕(*186cm)よりも大きいFWが結構多いんです。やはり、そういう相手とやるときは燃えますよね。自分より大きくて、ゴツい相手と対峙したときに、上手にプレーするのは当然です。でも、だからといって、体をぶつけないように対応するのは、自分のスタイルではないので。大きい相手に対しても、『負けないぞ』とバチバチいって、ボールを奪っていくところを見せたいという想いもありました。まぁ、あの試合は調子も良かったですけど(笑)。

 あとは、やはり、シャルケでプレーしていて面白いなと感じるのは、守備のプレーに対してもスタンドが沸いてくれることなんです」

――板倉選手の守備での一つひとつのアクションに対して、大きな拍手が送られていますよね。

【次ページ】 期待や評価を感じるから徐々に自信もついてくる

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