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大谷翔平がMLBオールスターの舞台裏で同級生の「おでこをペチッ!」 ガリガリで“トッポ”と呼ばれた花巻東時代の素顔とは?
posted2022/01/17 11:01
text by
佐藤春佳Haruka Sato
photograph by
小原大樹さん提供
同級生だけが知る大谷翔平の素顔とは? 花巻東高校時代にダブルエースとして切磋琢磨し、現在は岩手めんこいテレビに勤める小原大樹さんに話を聞いた記事を特別に公開します。<初出:Sports Graphic Number 1035号(2021年9月9日発売)、肩書きなどはすべて当時>
今年7月、オールスターを取材させてもらいました。球場で翔平を見た時は泣きそうになりましたね。記者会見でシャーザーの隣にいるし、声かけていいのかなと不安になったんですが、通路で顔を合わせたらおでこをペチッ! 何も変わってない同級生の素顔が嬉しかったです。
野球を始めたリトルリーグでライバルの水沢リトルにいたのが翔平。当時から特に打者として凄まじかったです。最後の大会で対戦した時には、敬遠球をホームランされました。右打席の頭くらいに投げたつもりが、腕を伸ばして打たれて。新庄(剛志)さんですら(敬遠球を)ヒットなのにあいつは柵越えですからね。
花巻東高の推薦入試に現れた翔平を見た時は内心「え? おる! 終わったわ……」と。同じ投手なので、もう「背番号1」はないな、と思いましたが、入学後は翔平のケガもあって登板数は僕の方が多かった。助け合いながら切磋琢磨できたことは最高の思い出です。
ガリガリだった大谷翔平、あだ名は「トッポ」
僕は「カマキリ」、翔平は「トッポ」と呼ばれるくらいガリガリ。“増量組”だったので昼食時には監督からお呼びがかかるんです。本部席で余った弁当を2個、3個と必死に食べました。
お米はお茶碗10杯のノルマがあったので、寮での夕食も必死です。おかずやふりかけを試行錯誤して、最後は“クローザー”の卵や納豆で流し込んでいました。
ただ僕が間食で菓子パンを食べていた時も翔平はプロテインバーとか意識が高かった。一度、トレーニング中に豆腐をシェーカーに入れて持ってきたのは衝撃的でした。