山根　親方もそのように言ってくれますし、だからこそ色々と熱心に教えてくださるんでしょうね。それは先ほど出待ちの時に話したファンの方々もそうです。力士によっては「場所中は“黒星”を連想させる黒のマジックをサインで使いたがらない。だから白や金のポスカを持参してお願いした方がいいよ」とアドバイスしてくれたりするんです。そういう諸先輩の知識などを聞くと、私はまだまだ序二段くらいだなと感じています（笑）。

名鑑には数々のサインが。仕事でもらうのは自分の中ではNGとしているとのこと　©Ichisei Hiramatsu

照ノ富士など現在の角界の話も教えてください

――相撲ファンとしての話が面白くて、ガッツリそちらを聞いてしまったんですが、今回の取材のメーンは「2022年の角界をわかりやすく展望」でした……。お仕事やファンとして観た視点で、山根さんはどのように見えているか教えてください。

山根　皆さんも何となく知っているかと思いますが、照ノ富士関が本当に強い。これは間違いないところだと思います。私の出身地である鳥取県に縁があるので、思わず愛称の「てるる」と言ってしまうこともあるのですが……。

――距離感が近い（笑）。

山根　ここでは失礼のないように照ノ富士関と呼ばせていただきますね。2021年に白鵬関が引退されたことで、照ノ富士時代の到来だと感じます。ここ数年、角界では「世代交代」という話が出ていましたが、本格的にその時代の変化が来たのだなと。

――なるほど。

山根　照ノ富士関はヒザに爆弾を抱えてはいるのですが、それでも圧倒的な強さをここ数場所で見せてきました。復活して以降は誰も攻略できない状態です。もちろん他の力士も一生懸命に攻略しようとしているんですが、照ノ富士関は次の場所になると“攻略し返している”構図なんです。

――そうなんですか？

山根　様々な方からお話も聞かせてもらったので、良ければぜひお話しします！＜第3回に続く＞

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