山根　はい。実はけっこう昔からあるんですけど、力士のシールが貼ってあるあんぱんが売っていて、相撲通の中ではものすごく人気です、当日早めに買わないと売り切れちゃうくらいなんですよ。あと食べ物で言えば、2階の売店にあるソフトクリームも、ものすごく美味しいです！

親方と会える喜びは“あのテーマパーク”と同じくらい

――まさかのソフトクリーム。

山根　買いに来ているのはお客さんだけじゃなくて、関係者の方々もいるんです。自分の出番ではない時の呼出さんや、時には親方もソフトクリームの列に並んでいることもあります。現役時代に憧れて観ていた方と一緒に列に並んだり、そこでファン対応してくださるのも国技館ならではの光景かなと思います。そういう場面に出くわすと、私は「あの親方がいる!!」と飛び跳ねたくなります。ディズニーでミッキーマウスと会うようなものですから。

――（笑）。そんな山根さん、相撲を観に行き始めた頃に会って感動した人って誰になりますか？

山根　小学生の頃、大フィーバーだったのは高見盛関でした。大阪場所に行ったとき、ものすごく近くを通ったのですが、その時に「やあ」と声をかけてくれたのが衝撃的だったんですね。両国国技館だと大好きだった武蔵丸関が武蔵川親方になっていて、会えた時は感動して泣いてしまったほどです……。武蔵川親方とお会いできたのはタレントになってからですが、学生時代は、学校の授業を終えて制服姿のままで観戦に行っていました。

角界随一の人気力士だった高見盛　©JMPA

「出待ちしてたのに、いつの間にかインタビュアーに」

――え、そんな直行ルートだったんですか。

山根　今、相撲のお仕事をいただける立場になって、力士の方にお話を聞くことがあるのですが「俺らからすると、よく観に来てた相撲好きの子が芸能界に入ってるんだけど……」「出待ちしてたのに、いつの間にかインタビュアーになってるぞ」と、少し不思議な感じだったらしいです。

©Ichisei Hiramatsu

　ちなみに力士以外の関係者も個性的な人ばかりです。呼出さんはそれぞれで特徴ある声を感じます。例えば重夫さんという方は、ものすごく響く声でスッと入ってきます。行司さんでも着ている装束が階級によって違うなど、そういった細かい点にも注目すると、とても楽しくなってきますよ。

――山根さんのような若い世代の熱心なファンがいてくれたり、山根さんに興味を持って新規層が開拓されることは、角界自体としても喜ばしいことでしょうね。

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