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「うわー、俺、宇佐美としゃべってる」謙虚すぎるプラチナ世代・宮吉拓実 岡田武史も驚いた16歳デビューから14年目の本音 

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松本宣昭

松本宣昭Yoshiaki Matsumoto

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photograph byKYOTO.P.S.

posted2022/01/14 11:02

「うわー、俺、宇佐美としゃべってる」謙虚すぎるプラチナ世代・宮吉拓実 岡田武史も驚いた16歳デビューから14年目の本音<Number Web> photograph by KYOTO.P.S.

京都サンガF.C.のJ1昇格に貢献した宮吉拓実。岡田武史も驚かせた才能が、新生サンガの起爆剤になるかもしれない

 1992年8月7日生まれ。「プラチナ」と呼ばれた世代である。あの頃、宮吉には嬉し涙まみれの未来が待っていると思っていた。ところが、29歳となった本人の認識は違う。

「16歳でデビューできたのは、ただただ運が良かったんだと思います。宇佐美貴史、柴崎岳、杉本健勇、宮市亮……。素晴らしい選手が揃っていたから、『プラチナ世代』と呼ばれる理由はわかります。でも、僕にとっては彼らがライバルとか、戦友という意識はない。“すごい人“です。特に宇佐美とは、小学生の頃から戦っていますけど、今でもスタジアムなんかで話すと“うわー、俺、宇佐美としゃべってる“って思いますもんね(笑)」

 同世代が次々と日本代表デビューを果たし、欧州に活躍の場を移す中、宮吉は怪我にも悩まされ、スポットライトを浴びる機会は限られた。2014年には期限付きでカターレ富山へ、2016年にサンフレッチェ広島、2018年に北海道コンサドーレ札幌への移籍を経験するも、本来の得点力は発揮できなかった。

「もっとエゴを出していたら」

「僕は人に対して心を開くのに、時間がかかるんです。札幌に移籍したばかりの頃は、妻から『練習から帰って来るのが早いね』って、イジられたこともありました(苦笑)。ただ、今振り返れば、移籍を経験したことは僕にとってプラスだったと思います。

 他クラブを見ることでサンガの素晴らしい部分も、サンガに足りない部分も再認識することができた。森保(一)さんやミシャ(ミハイロ・ペトロヴィッチ)さんの指導を受けたことで、プレーの幅も広がったと思います。斜めの縦パスに対して僕がスルーしてDFの背後に走り、(ピーター・)ウタカからのスルーパスを受けるようなコンビネーションは、ミシャさんのサッカーから学んだものですから」

 この逸話からもわかるとおり、宮吉はとてもシャイな選手だ。ギラギラ感を隠さない「プラチナ世代」の選手たちとは異なり、自身のプレーやキャリアについても謙虚な姿勢を崩さず、大きすぎる目標は語らない。

「小学生とか中学生の頃は、もうちょっと“俺が俺が“感はあったと思います。早い段階から上の世代とサッカーをするようになって、ちょっと委縮するようになった部分はあったかもしれません。

 自分の性格が違っていて、もっとエゴを出してプレーしていたら、今とは異なるサッカー人生になったのかなと思うことはありますよ。このインタビューでも、『同世代に負けるのは悔しい』と言わないのは、自分の弱さや自信のなさなのかもしれない。でも、謙虚であり続けられたからこそ、今もこうしてサンガでサッカーができているのかなって気もするんです」

【次ページ】 宮吉の背中を押した曺監督の言葉

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