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草野球の聖地「外苑」に異変あり! 草野球人のもとへ戻った軟式球場に迫る再開発計画とは《そもそもなぜ聖地?》
text by
田澤健一郎Kenichiro Tazawa
photograph byJIJI PHOTO
posted2022/01/08 06:00
2020年4月に空撮された国立競技場と神宮外苑周辺。画面右側の草野球の聖地「外苑」は茶色い陸上トラックにとって代わられていた
例えば首都圏の草野球場の多くは、1試合の目安である2時間で1000~3000円台が相場。それに対し、外苑は平日2時間で1万500円、土日は1万5700円になる。人工芝のコブシの場合、平日2万2000円、土日は2万6200円だ。何かと懐が厳しい時代、高額な使用料を避けるチームが出てきてもおかしくはない。
再開発については、計画内容は未決定。野球場を含めた複数のスポーツ施設が消滅するという報道には周辺住民から反対の声も挙がった。それもあってか、現在は「スポーツ施設の一部がなくなる」という内容にとどまるなど先行き不透明の状態。再開発後、何らかの形で残るか否かは今後の計画次第だ。
「外苑」は聖地でありつづけるか
プロ野球各球団の動員数や高校野球の過熱人気を考えると「観るスポーツ」としての野球人気は健在だ。しかし、全国各地で野球人口減少がささやかれているように「プレーするスポーツ」としては曲がり角にきている。草野球の聖地「外苑」にも、同じような転機がきているのかもしれない。プロ野球選手と草野球選手が同じフィールドで、それぞれ真剣に野球に取り組む。そんな希有な風景が見られるのも、あとわずか、か。
「昔、ヤクルトの歴代監督の一人が、草野球をしているグラウンドに来て『代打オレ!』と冗談で言ってきたこともあった。外苑がなくなったら、そんなこともなくなっちゃうね」(Yさん)
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