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箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
《前回箱根は無念の欠場→サッポロビールに就職》青学大前主将・神林勇太さんが語る社会人1年目の今「脂肪が少しお腹についてきました(笑)」
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byWataru Sato
posted2021/12/31 17:03
青学大の前キャプテンで、現在はサッポロビールに勤める神林勇太さん
就活で「それはちょっと響いたのかなぁって思います(笑)」
神林さんは、青学大を卒業後、サッポロビールに就職した。
2020年冬、「引退後も競技を続けてほしい」原監督と「就職をしたい」神林の間で激しいやり取りがつづいた。最終的に2月末に原監督が折れて、3月から就職活動が始まった。学部の仲間たちはすでにスタートしていたが、1月に箱根を走ったばかりの神林さんに就活の二文字が入る隙間はなく、同級生に比べかなり出遅れた状態でスタートした。「箱根の優勝メンバー」という“アピールポイント”があっても、面接は思うように進まず、「甘くない」と改めて社会の厳しさを痛感した。
――就活の面接では、どんな話をしたのですか。
「陸上から何を得たのか。どんなプロセスを経て、結果を出すために何をしてきたのか。それを社会人になってからどのように活かして会社に貢献できるのか。そうしたことを自分の言葉で話すように心がけました」
――「自分の言葉で」というのは学生にとって簡単ではないですね。
「大学4年間でいちばん成長したのが、話をする力でした。もともとシャイで、人前で話すことは得意ではありませんでした。でも、3年の時から多くの取材を受けたり、4年時は主将になって前に出て話をしたりする中で、自分の言葉で話ができるようになりました」
――面接で、「この話が響いたな」と手応えを感じた自分のエピソードは何かありますか。
「大学1、2年目の挫折ですかね。1年目に出雲駅伝に出て失敗して、2年目は一つも駅伝に出られなかったんです。監督にも、『おまえ、やる気あるのか』と怒られる始末で、僕ももうやめようかなって考えていました。ただ、ちょうどそのタイミングでニュージーランドに留学して、そこで驚くくらい復調したんです。その結果、帰国後の3年目に箱根を走れて優勝できました。一度沈んだ状況から、目標に向かって再びがんばることができたマインドや、そこに向けた動き方は、どこの会社でも求められることだと思うので、それはちょっと響いたのかなぁって思います(笑)」