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高橋藍20歳「コートでポップコーンの香りがするぐらい…」イタリアデビュー戦&充実の新生活、会話のネタはセーラームーン?
text by
高橋藍Ran Takahashi
photograph byRan Takahashi
posted2021/12/29 06:01
パドヴァのロッカーで自分の名前が刻まれたプレートを指さす高橋藍。慣れないことも多い新生活だが、その変化を楽しんでいるようだ
生活面ではまだまだ慣れないことも多いですが、バレーボールに関しては全く問題ない。日本代表でも(フィリップ・)ブラン(現監督)が練習中に指示を出す時にも英語でしたし、ブランとの会話は基本的に英語でした。イタリアでも監督はイタリア語を話しますが、練習中はコーチが英語でフォローしてくれるし、基本のバレーボール用語は同じなので、戸惑うことなく入ることができました。
何より、パドヴァは選手だけでなく監督やコーチも自ら楽しんでバレーボールをするチームなので、練習中もいつもイキイキして、とにかく楽しい。みんなが楽しんでいるのが印象的です。
パドヴァはチームコンセプトとして「サーブは攻める」という決まり事もあるので、どんな状況でもサーブは勢いを持って攻める。自分のプレースタイルもまさにそうなので、とてもやりやすいし、自分のプレーを出しやすい環境でもあります。
イタリアデビュー戦「ラン、行くぞ」
すでにリーグが開幕している中で加入したので、できるだけ早く試合に出られたらいいな、と思っていたのですが、想像より早くそのチャンスが巡ってきた。18日(現地時間)のモデナ戦が、僕のイタリアでのデビュー戦になりました。
練習でのAB戦もメンバーを固定するのではなくいろいろ代えながらやっていて、映像やデータを見ながら相手の特徴を教えてもらっていたので「もしかしたら出られるかもしれない」と期待していました。だから実際に、試合終盤で「ラン、行くぞ」と言われた時は、「出るんや」と思ってびっくりしたし嬉しかった。
相手は強豪のモデナで、(イアルバン・)ヌガペト(フランス代表)選手のような、スーパースターがいるチーム。パドヴァのサポーターもものすごく盛り上がっていたし、僕が出た時も「ウェルカム、ラン!」という空気で迎えてくれて、僕も楽しみとワクワク感しかなかった。やってやろう、とだけ思ってコートに入ったので、全く緊張はしませんでした。
イタリアの会場は日本と違って、コートにいてもポップコーンの香りがするぐらい、観客の方々との距離も近い。あの雰囲気がすごく新鮮でしたね。日本でも映像を見てくれて、後からたくさん連絡をもらったのですが「普通にやっていたな」と言われました(笑)。それぐらいとにかく楽しかったし、スパイクを決めて、初得点を挙げることもできた。
出るチャンスがあればどんどん自分のいいパフォーマンスを出していけると思いますし、もっともっとやっていかなきゃいけない。持っている力を出して、さらにいろいろなことを試合の中で感じ取っていきたいです。