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「引退は全然考えない」女子格闘技の第一人者・浜崎朱加39歳はなぜ衰えないのか? 大晦日に“超新星”と対戦も「一本かKOで」 

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布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

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posted2021/12/29 17:02

「引退は全然考えない」女子格闘技の第一人者・浜崎朱加39歳はなぜ衰えないのか? 大晦日に“超新星”と対戦も「一本かKOで」<Number Web> photograph by RIZIN FF

3月に行われた浅倉カンナとのタイトルマッチはスプリット判定の接戦となったが、しっかりとベルトを防衛した浜崎朱加。今年の大晦日も絶対女王の貫禄を見せつけるか

浜崎の闘志に火をつけた堀口恭司のタイトル戦

 先日、そんな浜崎の心を動かした出来事があった。ひとつは『UFC』に次ぐ規模のMMAプロモーション『Bellator』での復帰戦で、いきなりセルジオ・ペティス(アメリカ)が保持するBellator世界バンタム級王座に挑戦した堀口恭司(アメリカン・トップチーム)の存在だ。バックハンドブローで衝撃的な逆転KO負けを喫するまで、堀口は間違いなく試合を優位に進めていた。

「あれだけみんなに期待されるだけでもカッコいい。負けてしまったけど、次が楽しみになりました」

 2015年から2017年にかけて、浜崎はアメリカの女子MMAプロモーション『Invicta FC』の世界アトム級王者として活躍した時期があった。その頃の自分と現在の堀口を重ね合わせることはあるのか。

「あの頃の私は試合が決まるたびにアメリカに行って闘っていた。一方、堀口さんはアメリカに住んで闘っているので、感覚は違うと思う。それでもBellatorでの復帰第1戦で、いきなりタイトルマッチができるというのはすごいことだと思います」

 もうひとつの出来事は、浜崎の先輩で女子MMAのパイオニアである藤井恵の夫・佐々木信治の試合を応援するために、12月5日に広島まで足を運んだことだった。2018年、佐々木は中国での試合で反則攻撃を受け眼窩底、上アゴなど10カ所以上を骨折しながら、最後までリングに立ち続けるという死闘を演じた。しかし、その代償は大きく、計4度の手術を受けることになった。今年2月、2年9カ月ぶりに復帰。地元広島で復帰2戦目を迎えたわけである。

 巷では「もう限界なのでは」と噂されながら、闘いの舞台に戻ってきた佐々木の姿に浜崎は胸を打たれた。

「あんな大ケガをしたら、自分だったら続けるかどうか考えてしまう。“スカ勝ち”ではなかったけど、佐々木さんからは諦めない気持ちを受け取りました」

 気持ちは十分にチャージされた。忘れてはいけない。日本には浜崎朱加もいる。そう簡単にバトンを渡すつもりはない。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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