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「もっともっとできたのに」わずか“0.17の差”だった鈴木明子vs中野友加里…2009年全日本フィギュア「名勝負」を振り返る
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAFLO
posted2021/12/23 11:05
2009年の全日本フィギュア選手権。バンクーバー五輪代表選考も兼ねたこの大会で「名勝負」は生まれた
「試合ってこんなに緊張するものだったのかなというくらい緊張しました。寝てもさめても全日本の事が頭にあって、すごく緊張しているんだなと自分でも思いました」
その中でも中野はシーズン最高の演技を披露してみせた。そして鈴木もまた、ここまでのシーズンでベストの演技を氷上に示した。
努力を積み重ね、緊張を打ち破った両者だが、それでも結果は厳然とした事実として残る。どれだけ真摯に歩み、努力に努力を重ねても、イコール、結果とはならない。
でも、力を尽くした演技は、強く記憶される。鈴木と中野がそうであるように。
今年の全日本選手権もまた、期する思いを持って選手たちは臨む。緊張と重圧に苛まれ、それでも磨いてきた演技を体現しようと戦う。
勝負の行方は分からない。ただスケーターたちの氷上での姿を見守りたい。
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