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野球善哉BACK NUMBER
パドレス3A・加藤豪将(27歳)が考える“メジャーリーガーとの差”「野球とベースボールは全然違う」「筒香選手の姿に感動しました」
text by
氏原英明Hideaki Ujihara
photograph byGetty Images
posted2021/12/21 11:02
今季パドレス傘下3A(AAA)でプレーした加藤豪将。自身が考える「メジャーリーガーとの差」について語ってもらった
「自分では環境の変化に強い方だと、そう言い聞かせてきましたけど、全然違った。17時間のバス移動やお腹が空いている中で(延長戦で)12イニングくらいプレーすることもありました。そんな環境でも、ドミニカやアメリカ人の選手はちゃんとプレーしている。結果も残せる。食事がなくても、寝れてなくても、体の痛みがあっても、最高のパフォーマンスを目指す。本当にそこはすごいなと思います」
「2Aから一気に上がる」マイナーのレベル
もちろん、メジャーで活躍するためのスキルは必要だ。
加藤が言うには、ルーキーリーグからHigh A(A+)までのクラスはだいたい同じレベルで、AA(2A)から格段にレベルが上がるらしい。とりわけマイナーリーグの最高峰・AAA(3A)はメジャーと行き来するような選手たちも多く在籍するため、チームメイトや対戦相手はほぼメジャークラスとなる。
「上に上がればスピードが変わります。考えるスピードです。ボールのスピードもありますし、走るスピード、打球のスピードの違いもあります。ゲームが早くなっていく中で考えるスピードも対応していかなくてはいけない」
「野球とベースボール」はまったく違う
加藤はレベルが上がるたびにバッティングレベルを順応させてきた。とはいえ、そのレベルの違い以上に、環境への対応が難しいということである。
その厳しい環境変化に順応して結果を残していけるかどうかが、メジャーで通用する・しないの境目と加藤は捉えている。
「来年は鈴木誠也選手がメジャーに来ると思うんですけど、違う国でボールも違う、バットも違う、カルチャーも言葉も違う。その中で数字を出そうとチャレンジすることはすごいことなんです。『野球とベースボール同じじゃん』っていう方もいっぱいいると思うんですけど、全然違う。大谷翔平選手がやっていることはめちゃめちゃすごいことなんです」
マイナーが過酷だと日本では度々報道される。それはつまり食事のことや、加藤が言う長時間移動のことを指すが、結局、そうした環境の厳しさを乗り越えなければ、猛者たちが集うメジャーで活躍することはできないのだ。