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野球善哉BACK NUMBER
パドレス3A・加藤豪将(27歳)が考える“メジャーリーガーとの差”「野球とベースボールは全然違う」「筒香選手の姿に感動しました」
posted2021/12/21 11:02
text by
氏原英明Hideaki Ujihara
photograph by
Getty Images
今季パドレス傘下3A(AAA)でプレーした加藤豪将。メジャー昇格を目指す27歳も、来シーズンでプロ10年目を迎える。そんな加藤の「今」に迫るインタビュー。前編では、2013年のMLBドラフト指名から現在までの歩みを振り返りながら、自身が考える「メジャーリーガーとの差」について語ってもらった。(全2回の前編/後編へ)
衝撃のドラフト指名から9年の月日が経つ。
2013年のMLBドラフトでヤンキースから2位指名。日本人選手がMLBドラフトの全体100番以内で指名されたのは史上初めてのことだった。
その男の名は、加藤豪将。マーリンズーパドレス傘下のマイナーチームを渡り歩いた27歳は、21年シーズンの今季、内野手として打率.306、8本塁打、42打点のキャリアハイをマーク。メジャー昇格を射程圏内にとらえたといっていい充実のシーズンを送った。
「今年は自信になりました。成績が良かったことよりも、環境が変わって成績を残せたことがよかったです。13年にヤンキースに指名されて、その後移籍したマーリンズは(元ヤンキースの)ジーターさんがオーナーをされていてコーチの陣容も同じで、“ヤンキース”みたいなチームだった。パドレスは僕も、コーチもお互いを知らない新しい環境でのチャレンジだった。そこで結果を残せたのがよかったです」
17時間のバス移動…直面した“マイナーの当たり前”
環境の変化への対応力――。加藤は2021年シーズンの手応えをそう口にしている。
選手のパフォーマンスの良し悪しについて、数字ばかりを追いかけてしまうのが報道する側の常ではあるが、この加藤の言葉にこそ、世界最高峰のメジャーリーグで成功することの難しさが語られている。
ヤンキースに指名されてからこの9年もの間、加藤は非日常的な環境との格闘の日々を送ってきた。
14、15年シーズンには打率が1割台まで落ち込んだ。加藤は当時をこう振り返る。