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“メッシが憧れた天才”アイマールに独占直撃 「指導者で印象深い2人はビエルサと」「今のリオネルは実に知的だ」
text by
セルヒオ・レビンスキー&マリロ・バレラSergio Levinsky & Marirró Varela
photograph byAlexander Hassenstein - FIFA/Getty Images
posted2021/12/22 11:02
アルゼンチンが誇るテクニシャン、アイマールは現代サッカーをどう見ているのか
「彼にとっても、現在のアルゼンチン代表がこれまででもっともプレーしやすいチームだと思います。チームコンセプトと自らの役割がクリアになり、利他的な仲間とそれを共有する。揺るぎない基盤があるこのチームで、彼は自身にふさわしいタイトルを手中に収めたのです」
現在のメッシは実に知的にプレーしている
──メッシは現在34歳。彼にとっていつが全盛期かは意見の分かれるところかもしれませんが、今のメッシともっと若い頃、例えば20代前半のメッシを比べると、どこがもっとも違うと思いますか?
「現在の彼は実に知的にプレーしていると思います。やるべき時に、やるべきことをする。つまるところフットボールとは、“何”をするかよりも、“いつ”するかの方が重要なのです。今の彼は、あらゆる動きのタイミングが完璧にわかっている。チームの勝利のために、その類稀な能力をいつ活用するのか。トップレベルのキャリアを長く続けてきたことによって、彼は然るべき“時”を心得たのだと思います」
──メッシはこれまで、代表に主要タイトルをもたらすことができず、国内で批判されることもありました。それは、今あなたが言ったように、時機を得ることができなかったからでしょうか?
「どうでしょう。おそらく理由はいくつかあると思います。ただ、私は彼のプレーがずっと大好きだし、いずれ代表でも栄光を掴むと信じていました。一部の人々にとって、それは長すぎたのかもしれない。バルセロナでの圧巻のパフォーマンスと数々のタイトルを見れば、なぜアルゼンチン代表で同じことをしてくれないのかと、考えてしまっても不思議ではありません。
でも、それはまた別の話です。フットボールでは、どんなに才能のある選手にも、成功はいつ訪れるかわからない。私としては、代表で彼に会うことを本当に楽しみにしています。コパで優勝する前から、気持ちは同じです。そして再会するたびに、温かく親密な時を過ごし、あまり余計なことは考えません」
W杯でプレーすることは美しく、何物にも代え難い
──来年のカタールW杯は、メッシにとって最後のW杯となるかもしれません。代表で世界を制す最後のチャンスに、彼はより一層のモチベーションをもって臨むでしょうか。
「どんなW杯にも、リオネルは最高のモチベーションで臨んできたはずです。しかしまだ、頂点を極めてはいないので、あなたが言うように、次こそはとさらに士気を高めることでしょう。また、南米王者として臨む初めてのW杯でもありますから、余計に期するところはあるはずです。いずれにせよ、W杯でプレーすることは、美しく、何物にも代え難い経験です。リオネルほどの選手ならば、それを心ゆくまで楽しむべきですね」
──コーチ陣のひとりとして、アルゼンチン代表はどんなスタイルでプレーすべきだと考えますか?