ラグビーPRESSBACK NUMBER
ちょっとヤンチャ、だけど純粋「帝京大ラグビーの主将」のイメージを覆す細木康太郎が稀有なリーダーである理由《3年ぶり対抗戦優勝》
text by
大友信彦Nobuhiko Otomo
photograph byNobuhiko Otomo
posted2021/12/10 11:03
帝京大ラグビー部の主将を務めるPR細木康太郎(4年)。熱い気持ちを全面に出してチームを牽引する
会見では理想のキャプテン像の問いもあった。細木は答えた。
「理想のキャプテン像というのはないです。僕がキャプテンとしてみんなに認められたのは僕の個性であって、それは僕自身を認めてくれたからであって、僕が誰かのマネをしたり、誰かのようになりたいと思ったら、それはみんなが求めた僕のキャプテン像ではなくなってしまう。だから僕は、僕のキャプテン像を貫こうと思っています」
訥々とした口調。だが、細木の言葉は借り物ではない。こうあるべきと考えて綴ったものでもない。体の芯から湧き出す、勝ちたいというシンプルな思い。シンプルだからこそ熱く、強く、強風にさらされても、荒波に揉まれても揺るがない。その熱と強さが仲間を奮い立たせる。
加えて、強靱な体幹、トライを取りきる力。スクラムの強さ。自ら学ぶ力。2023年W杯に向け、日本代表入りも期待される大器であり、希有なリーダーだ。
2021-2022年の大学ラグビー正月戦線は、ちょっとヤンチャな、だけど純粋で、どこまでも熱い、赤いジャージーのキャプテンに注目したい。