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天理大“絶叫キャプテン”「わずか4カ月で1部所属チーム退団」の真相…松岡大和が3部から目指す日本一「絶対に見返してやる」
posted2021/11/10 11:00
text by
イワモトアキトAkito Iwamoto
photograph by
Akito Iwamoto
「シャー! いったるで織機! WAYSや!」
愛知県刈谷市のグラウンドに響く絶叫、スクラムを組む前はいつも笑顔、トライを誰よりも喜ぶ、合言葉は“WAYS”――『自分たちのスタイル(道)を貫け』。
豊田自動織機シャトルズ愛知のFL松岡大和はイメージ通りの熱い男だった。
天理大主将として日本一、卒業後はトップリーグ(現リーグワン)1部所属のチームへ進むも4カ月で退団、3部所属の豊田自動織機へと移籍した。「ラグビーめっちゃ好きだから」。その理由はあまりにもシンプル、彼らしい答えの出し方だった。
絶叫キャプテンが抱いた「違和感」
「めっちゃくちゃ、うれしいです」
大学選手権決勝、優勝インタビューで右ほほをつたう涙とともに喜びを爆発させる姿が『絶叫キャプテン』として注目を集めた。コロナ禍での苦難をのり越えて日本一、関西勢の優勝は36大会ぶり、次のステージでの活躍も期待された。
選んだ進路はNTTドコモ(現NTTドコモレッドハリケーンズ大阪)へ社員選手としての入団だった。入社式を経て名刺を手にスーツを着てあいさつ回り、仕事終わりに練習、高層ビルに囲まれた大阪の街を歩いているうちにだんだんと違和感が募った。
「高いレベルでラグビーがしたくてドコモさんにお世話になろうと。でもそれだけじゃないんですよね。やっぱり社員、仕事もしなくちゃとか。このままじゃラグビーに集中できへんってなって。もっとラグビーを追求したい、それならプロで自分を試そうって」
国内外、あらゆる選択肢を調べる中で行きついたのがYouTubeで見つけた豊田自動織機のトレーニング風景を紹介する動画だった。
真剣な中に和気あいあいとしたにぎやかさが伝わってきた。感じたのは懐かしさ。それは天理大にも通じる、仲間とともにラグビーを楽しむ雰囲気だった。7月にNTTドコモを退団、豊田自動織機に思いを伝え、トレーニング生としてチームに迎え入れてもらった。