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「プロに行きたい」高2山田哲人の進路相談で恩師はなぜ躊躇した? 一番嬉しい成長は “リーダーシップ”「こうなったら、いつか監督に」
text by
沢井史Fumi Sawai
photograph byNanae Suzuki
posted2021/12/08 11:04
キャプテンとしてチームを日本一へ導いたヤクルト山田哲人。履正社高時代の恩師・岡田監督はそのリーダーシップに驚き、何よりも喜んでいる
ただ、それ以上に岡田監督が驚いたことがあるという。
「山田は元々“我関せず”というタイプ。でも、今年は主将にもなりましたし、言葉の節々にそういう周囲を気にしているところを感じました。試合ではどんな感じなのか(同じ履正社OBで山田より3年後輩の)宮本丈にこっそり聞いたら、“周囲に声を掛けるようになった”と教えてくれたんです。ただ、驚いたのは“来年もキャプテンをやります”と言ったということです。高校の時はそんなタイプではなかったのに、立場は人を変えるってこのことやなと思いましたよ」
そして、さらにこう続けた。
「今までの成功体験がすごく生きているのではないでしょうか。その中で山田は周りの人の話をよく聞いて、これは自分に必要かと取捨選択できるようになったのも大きいです。今後は何を目指していくのか気になりますよね。もう年齢も30歳になりますし、ヤクルトを背負っていく立場に……あれだけ長いこと契約してもらっている以上、次は何を目指すんでしょうか。こうなったら、いつか監督になってくれたらとも思います」
プロの世界に身を置いて10年を超え、着実に地位を固めつつある教え子への夢は恩師も同じくらい大きい。
これからさらに膨らむ夢を、今後も静かに後ろから見守っていきたいと思っている。
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