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「空の彼方に最後の軌跡!コントレイル!」が話題に…フジテレビ倉田大誠アナに聞く“競馬と春高バレーの実況はここが難しい”
text by
鼠入昌史Masashi Soiri
photograph byYuki Suenaga
posted2021/12/02 11:07
「13歳、真夏の大冒険」が流行語になったフジテレビ倉田大誠アナウンサー。競馬や春高バレーなどの実況を務める
倉田 2004年に入社して、翌年に三冠馬になったのがディープインパクト。ダービーを見たりしましたが、競馬ファンでもなかった頃なので何がすごいのかよくわかっていなかった(笑)。そこから実況ですから、かなり苦労して勉強したのを覚えています。今でも若いアナウンサーはそうしていますが、土曜日に競馬場に行って朝の1レースから12レースまでずっと練習するんです。それを上の人に聞いてもらって、あそこはどうだったとかこうだったとか指摘を受けて。「ここはいらないよね、同じことを繰り返しているだけでしょ、馬の名前が出てこなかったんだよね」って。
――失敗をした経験はありますか?
倉田 本来失敗はあっては成らないのですが、やはり、馬の名前を間違って言ってしまうことがありました。お父さんの名前とかお母さんの名前を半分使っている馬がいるのですが、ついお父さんの名前を言っちゃうとか。あとは走破時計のタイムを間違えたこともあります。800m通過と1000m通過を間違えたり。2分そこら、あっという間に終わってしまうわけですから、難しいですよね……。最初は苦労したといいましたが、今でも苦労していますね。
春高バレーはものすごく事前取材をする
――倉田さんが担当されているスポーツ実況でいうと、競馬やオリンピックと比べるとバレーボール実況がいちばんオーソドックス、ということになりそうですね。
倉田 ちょうどいま、春高バレーの季節になっていますからね。先日、東京都代表決定戦の中継を担当しました。大山加奈、荒木絵里香、木村沙織など数々の名選手を輩出した下北沢成徳高校が2年連続で全国大会に行けていなくて、今年どうかという試合だったんです。今の3年生にとっては、最後のチャンスですからね。東京は3校が全国大会に行けるのですが、ぼくが実況した準決勝で負けてしまって。ああ、3年目も行けないんだ、と……。でも3位決定戦で逆転勝利し、3年ぶりに全国への切符をつかんだ。そういうドラマがあるのが春高バレーですよね。
――高校生が出る競技ですから、また別の難しさがある。
倉田 じつは春高バレーはものすごく事前に取材をするんです。選手に話を聞いたり、監督に話を聞いたり。それこそ選手のデータがまったくないから、どんな選手なのかを伝えないと視聴者の方は何もわからないので。高校生ってなかなか自分の言葉で自分のことを語らないじゃないですか。でも、きちんと話を聞いていくと、いろんなぶつかり合いがあったりケンカがあったり、高校生なりのエピソードがいっぱいあるんです。そういうものを披露してあげたいですよね。
「最近どう?」なんて質問はしない
――それには相当な準備が必要ですよね。どれくらい時間をかけて取材するんですか。