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『熱波師の仕事の流儀』掛け声、ギャグ、熱さ我慢大会。群雄割拠の熱波師を見逃すな!
text by
青柳美帆子Mihoko Aoyagi
photograph bySports Graphic Number
posted2021/11/30 07:00
『熱波師の仕事の流儀』サウナーヨモギダ著 ぱる出版 1540円
サウナブームの盛り上がりと激動を象徴するような本が出た。サウナの布教活動を行うサウナーヨモギダ氏が、「熱波師」や温浴コンサルタントに「熱波師とは何か?」を問いかけ、仕事の哲学やパフォーマンスのこだわりを取材した一冊だ。
「……熱波師?」と首を傾げる読者もいるかもしれない。無理もない、「熱波師」は知名度や勢いがサウナそのものと比べるとまだ低く、じわじわと存在感を高めている最中にある。
サウナ設備の進化により、サウナストーブの石に水を掛け高熱の水蒸気を発生させる「ロウリュ」を実施できる温浴施設が増えてきた。ロウリュで発生した水蒸気をタオルなどで攪拌すると、室内のサウナ客に熱い風を送ることができる。そのサービスを行う人が「熱波師」であり、本書の主役である。