新刊ドラフト会議BACK NUMBER

『あめつちのうた』
人生もグラウンドも整備が大事。
阪神園芸が舞台のお仕事小説。 

text by

市川いずみ

市川いずみIzumi Ichikawa

PROFILE

photograph bySports Graphic Number

posted2020/07/28 07:30

『あめつちのうた』人生もグラウンドも整備が大事。阪神園芸が舞台のお仕事小説。<Number Web> photograph by Sports Graphic Number

『あめつちのうた』朝倉宏景著 講談社 1600円+税

 湿度が高くなるちょうどこの時期、芝生の香りが濃く広がり、夏芝が青々としてくる。真夏の炎天下、冬の凍り付くような寒さでの作業。本作からはその匂いも、温度も伝わってくる。小説ではあるが、本書では阪神園芸のプロの技が忠実に描かれている。例えば冬に行われる“天地返し”は1年のグラウンド状況を決める大事な作業。硬くなった土を掘り起こし、雨のタイミングをみてじっくり固めていく。阪神園芸の金沢健児施設部長が「俺が書いた本より詳しく載ってるわ!」と笑うほどの描写。精魂込めて手入れされていく土を通して、様々な人生をリアルに描きだしている。

こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
ウェブ有料会員になると続きをお読みいただけます。

残り: 691文字

ウェブ有料会員(月額300円[税別])は、この記事だけでなく
NumberWeb内のすべての有料記事をお読みいただけます。

メンタル・バイブル2020

Sports Graphic Number 1007

メンタル・バイブル2020

 

関連記事

高校野球の前後の記事

ページトップ