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「大谷翔平のMVPは間違いない」現地報道の争点は“満票か否か”に…大谷を推さない識者たちの“唯一の根拠”とは?《最新レポート》 

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斎藤庸裕

斎藤庸裕Nobuhiro Saito

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photograph byNanae Suzuki

posted2021/11/17 17:02

「大谷翔平のMVPは間違いない」現地報道の争点は“満票か否か”に…大谷を推さない識者たちの“唯一の根拠”とは?《最新レポート》<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

MVPの行方に注目が集まっている大谷翔平。19日朝に発表予定。

「勝利への貢献度」指数はMLBでトップ

 いずれにしても、大谷のMVPは当確と思われるが、満票かどうかは、各記者の判断基準があり、分からない。不安要素があるとすれば、チーム成績につながらなかった点が挙げられるかもしれない。ただ、大谷1人ではチームは勝てない。先発投手や救援陣の駒不足に加え、トラウト、レンドン、アップトンら相次ぐ主力の欠場でバランスが崩れていったエンゼルスに、プレーオフ進出の力はなかった。最終的には77勝85敗の借金8で、ア・リーグ西地区4位に沈んだが、大谷は1人で貯金7(投手として9勝2敗)を稼いだ。米データサイト「ベースボール・リファレンス」では、勝利への貢献度を示すWARは9・1でMLBトップ。チーム全体としては勝てなかったが、勝ちをもたらす選手としては、最も高い数値で終えた。

 10月3日のシーズン最終戦で先頭打者本塁打を放ち、打者として打率2割5分7厘、46本塁打、100打点の結果を残した。米ニューヨークの複数のメディアは、前半戦で大谷をMVPに選出。仮に後半戦や終盤の戦いで故障し、離脱する期間があったとしたら、MVPを他選手に奪われる可能性もあったかもしれないが、シーズンを二刀流で完走した。

 10月に入り、野球専門誌は続々と大谷をMVPに選出。数々の栄誉を既に獲得し、11月11日にはDH部門で打撃のベストナインに相当するシルバー・スラッガー賞も受賞した。とはいえ、これらの受賞ラッシュが満票MVPに影響することはない。10月5日のワイルドカードゲームの開始までに、投票権を持つBBWAAの記者は各賞の投票を終えている。満票か、否か。結果が注目される。

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大谷翔平
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