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「大谷翔平のMVPは間違いない」現地報道の争点は“満票か否か”に…大谷を推さない識者たちの“唯一の根拠”とは?《最新レポート》 

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斎藤庸裕

斎藤庸裕Nobuhiro Saito

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photograph byNanae Suzuki

posted2021/11/17 17:02

「大谷翔平のMVPは間違いない」現地報道の争点は“満票か否か”に…大谷を推さない識者たちの“唯一の根拠”とは?《最新レポート》<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

MVPの行方に注目が集まっている大谷翔平。19日朝に発表予定。

大谷の満票MVPに不安要素があるとすれば

 では、大谷の満票MVPに不安要素はないのか。あるとすれば“チームを好成績に導いたかどうか”だろう。9月中旬、あるメジャー選手がゲレロMVPを推していたとの報道があった。ブルージェイズの地元紙「トロント・サン」が、ツインズのジョシュ・ドナルドソン内野手(35)のインタビュー記事を掲載した。

「僕としては、ブラッド(ゲレロ)が日々、より多くの試合に貢献したと思う。そこに最も価値がある。ブラッドがいなかったら、(ブルージェイズは)同じチームにはならない。大きな違いだ」

 ブルージェイズは今季、10月3日のシーズン最終戦までポストシーズン(PS)に進出できるワイルドカードを争い、リーグ上位チームとして戦っていた。一方のエンゼルスは8月下旬から失速。9月21日にPS進出の可能性が消えた。同選手は自身の経験談から、MVPの意味を語った。

「MVPの話題となるといつも、トラウトと僕に何が起きていたかということを思い出すね。彼に価値があることは間違いないが、問題は勝つことにあるんだ。そのために僕らはプレーしている。勝って、ポストシーズンに進出するためにね」

 2015年、当時ブルージェイズに所属していたドナルドソンは、同年のリーグMVPを獲得。エンゼルスのマイク・トラウト外野手(30)と、ほぼ同等の打撃成績だった。だが、違いはチームの成績。ブルージェイズがア・リーグ東地区1位だったのに対し、エンゼルスは西地区3位でPS進出はならなかった。ドナルドソンは「もし自分のチームがそうだったら、リーグ全体で最も価値のある選手とはならないと思う。僕にとって、最優秀は(PSを)競っているチームにとって最も価値があることを意味している」と、同紙に持論を明かした。

 MLB公式サイトの報道によると、ヤンキースの主砲アーセン・ジャッジもゲレロのMVP級の活躍を認めていたという。シーズン終盤の9月末、「彼はMVPだと思う。春のキャンプから話題に挙がっていたが、彼は素晴らしいキャンプを送っていた。そして十分なくらい、安定した打席で証明した。あのチーム(ブルージェイズ)で多くの選手が素晴らしい年を過ごしたが、彼は別格だと思う」と話した。ブ軍とシーズン最終戦までPS進出争いを繰り広げていたヤンキースの主軸にとって、ゲレロの活躍は驚異的だったようだ。

【次ページ】 それでも大谷MVPが妥当だと言える理由

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