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《日本と初のテストマッチ》強化トップに聞く「ポルトガルラグビー」のスタイルとは…軽量級、展開&ランニングで“カオス”を作り出す?
posted2021/11/12 11:01
text by
竹鼻智Satoshi Takehana
photograph by
AFP/AFLO
2023年W杯フランス大会へ向けた強化にとって重要な秋――。しかし、敵地で苦汁を嘗める結果となった。
アイルランド代表の10番ジョナサン・セクストンが「100キャップ」を飾るメモリアルマッチとあって、序盤隙のないラグビーを展開する相手を前に、日本代表はミスが散見した。WTBシオサイア・フィフィタが一矢を報いるトライを挙げたが、5-60で大敗。試合後のインタビューでは孤軍奮闘したNo.8姫野和樹が「泣きたいほど悔しい」と漏らした。
とはいえ、下を向いている時間はない。今回の欧州遠征はあと2試合ある。むしろW杯から逆算すればこのタイミングで敗戦を突きつけられたことはプラスと捉えたい。
アイルランド戦から1週間後の11月13日(現地時間)、日本が次に戦うのは現在ワールドラグビーランキング19位のポルトガルだ(日本は10位)。2007年にトレーニングマッチでの対戦はあるものの、キャップがカウントされるテストマッチとしては初対戦となる。
着実にラグビーの強化が進む欧州国の1つだが、日本国内ではどの程度の実力や歴史を持っているのか、あまり知られていないのが現状だろう。今稿ではポルトガルラグビーの歴史、現在地を紐解いてみたい。
2023年W杯も視野に
ポルトガル代表のW杯出場は過去に一度。2007年W杯フランス大会にプレーオフ枠で出場した実績を持つ。現在はティア2に属し、代表チームの主戦場は欧州主要6カ国対抗戦「シックスネーションズ」に次ぐ事実上の欧州2部リーグ「ラグビーヨーロッパチャンピオンシップ」でジョージア、ルーマニア、ロシアなどとしのぎを削っている。
今シーズン、同大会でジョージアに次ぐ2位に入る快進撃を見せたことで、来年大会でも2位以内に入れば、2023年W杯への出場が決まるという。
偶然なのか必然なのか、2019年より代表チームを率いるパトリス・ラジスケ監督は、フランス代表としてWTBで46キャップを持つ名手で、コーチングの経験も豊富。再び、フランスへ――その機運は確実に高まっている。