今シーズンは自身の進路もかかるシーズンだったが、今年の活躍により、都市対抗初出場を目指すJPアセット証券で硬式野球を続けられることも決まった。指揮を執る野林大樹監督（元近鉄、広島、ヤクルト内野手）は「お父さんに似て思いきりが良く広角に打てる中距離打者。主力として考えています」と期待をかける。

　これまで弟・隆輝は佐倉シニア時代の日本選手権で神宮球場のライトスタンドへ本塁打を放って準優勝し、横浜高では2回の甲子園出場を果たすなど全国舞台で目立ってきたが、今度は兄の番だ。

「父も活躍した神宮で、持ち味の打撃もそうですが、人に感動を与えられるようなプレーがしたいです。父は緊張感のある試合でも楽しそうにやっていたことがカッコよく見えました。僕も自他ともに認められる選手になりたいです」

父・博文（右）とともに笑顔で写真に収まる度会基輝、後方には弟・隆輝の姿も（2017年撮影）　©︎Yu Takagi

　そして長男らしく家族への思いも強い。

「（度会家に生まれて）幸せなことしかありません。この家族がいたから成長できました。家族の協力あってこその僕だと思うので感謝の思いを表現できたらと思います」

　13年の時を経て辿り着いた憧れの舞台。さまざまな思いを胸に、神宮球場を沸かせる一打を放ちたい。