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「3年間で165億円」驚愕オファーも? 米ゴルフ界とスター選手を揺るがす新ツアー構想…日本も“対岸の火事”ではない
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph byGetty Images
posted2021/11/09 06:00
新ツアーを立ち上げる「リブ・ゴルフ・インベストメント」のCEOに就任したグレッグ・ノーマン
積年の想いの実現に向けて動き始めたノーマンは、まずアジアツアーを取り込むこと、いや、すでに取り込んだことを発表し、世界のゴルフ界を驚かせた。200ミリオン(2億ドル≒220億円)の大金をかけ、アジアで毎年10大会を向こう10年間、開催することが決まったという。
そして、高額のアピアランスフィーと賞金で、フィル・ミケルソンやダスティン・ジョンソンなど欧米のスター選手たちを多数招き、「金まみれ」と批判の目も向けられてきたサウジ・インターナショナルは、来年からはアジアツアーを象徴するフラッグシップ大会になる。
同大会は、かつては欧州ツアー共催だったが、すでに切り離されている。そのため、PGAツアーの選手たちが同大会に出場するためにはPGAツアーによる許可が必要となり、来年2月のサウジ・インターナショナルには、ダスティン・ジョンソンをはじめ、トミー・フリートウッドやリー・ウエストウッド、ヘンリック・ステンソンなど8名が許可を申請しているが、PGAツアーがこれを許可することは、現状では到底ありえない。
アジアツアーの公式ホームページを見てみると、2022-23年シーズンのスケジュール欄には、すでにサウジ・インターナショナルの名前が燦然と輝いている。新アジアツアーへの出場は「これまで通り、従来のアジアツアーにエントリーすれば良い」ともされている。
日本の選手がアジアツアーで修行するケースは、これまで多々見られたが、これまでと同じようにアジアツアーに出ると、今後は「ノーマンらの新ツアーに参加した」と、みなされることになる。
後々、その事実がどんな「履歴」として扱われることになるのかは、今はまだ不明だが、あらかじめ警戒しておくべきだろう。