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「“ラウンドガール不要論”をどう思う?」人気ラウンドガール・来栖うさこに“グラドル界と格闘技”の関係を聞いてみた〈特別グラビア〉
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byShiro Miyake
posted2021/11/10 11:02
『KNOCK OUT』のラウンドガールを務める来栖うさこはDVDもリリースする人気グラビアアイドル
ジムでの練習体験も…「体を動かすのは好きなんです」
ラウンドガールとして活動するうちに格闘技に惹かれ、KNOCK OUTガールズのメンバー仲間である七海とプライベートでも観戦に行くようになった。分からないことがあると格闘技に詳しい七海に聞いたり、自分で調べたりする。
探究心はとどまるところを知らず、自身のYouTubeチャンネルの撮影を兼ねてKNOCK OUTオフィシャルジムに練習にも行った。
「ラウンドガールをさせてもらうからには、真剣に取り組みたいなと思って。体を動かすのは好きなんです。でもやってみると難しかった。蹴りって脚の力を使うんじゃなく全身を連動させて、腰の回転で出すんですね。習ってみて初めて分かったことがあるし、じゃあ選手はどれだけ練習してるんだろうって気が遠くなりました(笑)」
さらに大会プロデューサーの宮田充氏、レフェリー和田良覚氏へのインタビューも。人気選手との対談といったコラボ企画なら分かりやすいが、プロデューサーとレフェリー。何か“ガチ感”があるではないか。
「そういえばそうですよね(笑)。自分の興味もあるんですけど、初心者に格闘技の魅力を伝えたいのと、格闘技ファンの方にも興味深いものにしたいと考えたら、宮田さんと和田さんのお2人がいいかなと」
“ラウンドガール不要論”への本音は…?
少し前、格闘技界では“ラウンドガール不要論”が話題になった。元UFC王者のハビブ・ヌルマゴメドフがラウンドガールを「無駄な存在」だと発言したのだ。次のラウンド数が知りたければ、画面を見れば分かると。この件について聞かれたエメリヤーエンコ・ヒョードルは「意見があるとしたら、もう少し肌の露出を控えたほうがいい」と答えたそうだ(もっともヒョードルは、最初からあまり興味がないようだが)。
ヌルマゴメドフに限らず、ラウンドガールを不要だと考える格闘技ファンも多いのではないか。あるいは“容認派”にしても華やかさ以上のものは求めていないかもしれない。来栖も「絶対に必要な存在かと言われたら、そうではないかもしれないです」と言う。ただ「それでも、ラウンドガールがいる意味はあると思います。いないよりはいたほうがいい」と付け加えた。
「ラウンドガールが、格闘技への入口になることもあると思うんですよ。私が意識しているのは、大会当日だけでなくSNSでの事前アピール。私がきっかけでKNOCK OUTを知ってくれたらいいし、私のファンの人が見に来てくれることもあります。
他の団体でも、今の格闘技イベントはグラビアアイドルがラウンドガールをやることが多いんです。それぞれにファンがいるから、格闘技を知る“窓口”になれる。グラビアアイドルがラウンドガールを任されるのは、そういう役目も期待されているからだと私は認識しています。
もちろん、格闘技の大会の主役は選手。自分のための舞台ではないという意識も強いです。大会を華やかなものにはしたいけど、自分が目立ちすぎてはいけない」